馳浩の古典こらむ

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No.71

スケートの
 ひも結ぶ間も
  はやりつつ

山口誓子
(せいし)
 1901〜 
 『凍港(とうこう)』所収

No.72

これがまあ
 つひの栖(すみか)か
  雪五尺

小林一茶
1763〜1827
『句稿消息』所収

No.73

とび下(お)りて
 弾みやまずよ
  寒雀

川端茅舎
(ぼうしゃ)
1897〜1941
『華巌』所収

No.74

濁る世を
 澄めともよはず 我がなりに
  すまして見する 谷川の水

良寛

1758〜1831

No.75

憂きことを
 海月(くらげ)に語る
  海鼠(なまこ)かな

黒柳召波
(くろやなぎしょうは)
?〜1771
『春泥句集』所収

No.76

鳴く蝉(せみ)を
 手握りもちて その頭
  をりをり見つつ童(わらべ)走(は)せ来る

窪田空穂
(うつほ)
1877〜1967
『鏡葉』より

No.77

春風や
 闘志いだきて
  丘に立つ

高浜 虚子
1874〜1959
「五百句」所収

No.78

しをるるは
 何かあんずの
  花の色

松永貞徳
(ていとく)
1571〜1653
『犬子(えのこ)集』所収

No.79

花の色は
 うつりにけりな いたづらに
  我が身世にふる ながめせしまに

小野小町
生没年未詳
『古今和歌集』所収

No.80

ひっぱれる
 糸まっすぐや
  甲虫

高野素十
(すじゅう)
1893〜1976
『初鴉(はつがらす)』所収


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