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温泉&グルメこだわりのそばを堪能

こだわりのそばを堪能
そば処 一福
そば処 一福

そば道楽みたき
更科藤井
更科藤井
蕎麦処くき
蕎麦処くき
宿布屋
宿布屋
敬蔵
敬蔵
手打ちそば 加賀上杉
加賀上杉
そば切り 多門
そば切り 多門
生そば 槐
生そば 槐
自家製粉石臼手打ち蕎麦処 草庵
草庵
滝そば
滝そば
とりごえ蕎麦 相滝
とりごえ蕎麦 相滝
そば処 花川
そば処 花川



そば処 花川

そば処 花川
おすみ花は数量限定

平坦な土地が少ない白山麓は米よりもそばの栽培が盛んで、秋にはそばの白い花が一面に咲くことでも有名。そして当然、地元産そば粉を使った蕎麦処も多く点在していて、ここ花川はなかでも筆者のおすすめ。普通の民家をそのまま利用した家庭的な店なので、思わず通り過ぎそうなので気をつけて。
そばを注文するとまず手作りのお通しが登場。これがまた美味しい!野の花も一輪添えられている。そして、〆にはそばがゆもいただける。せいろは1000円。そばの実の芯を使う御膳そば1200円は限定15食。炭を練り込んだ黒いそば、おすみ花1200円も限定。

石川県白山市吉野ウ17
076-255-5007
11:00〜16:00(売り切れ次第終了) 木曜定休(祝日の場合は営業)




とりごえ蕎麦 相滝

とりごえ蕎麦 相滝
とりごえ蕎麦御膳1300円

国道157号を白山に向かって走り、下吉野で国道360号に入り別宮北の信号を左折。しばらく山あいを走るとあるどっしりとした構えの古民家が見える。築70年以上だそうだ。店内に入ると、テレビやちゃぶ台、ブリキのおもちゃなど昭和の懐かしいコレクションコーナーがあり、奥座敷はギャラリーになっている。

さて肝心のそばだが、そば粉は主に鳥越産の粗挽きを使う。人気はくるみ味噌とかえしの2種のつゆが用意された「くるみみそざる」900円。女子に人気の「とりごえ蕎麦御膳」は地元産なめこがのる冷そばにそば茶プリンや小鉢が付いている。そば茶の香りとほどよい甘さの「ふるふるそば茶プリン」も好評。コーヒーもあるので和カフェとしても利用できそう。

石川県白山市相滝町ハ32
076-254-2737
11:30〜16:00 火曜定休(祝日は営業)




自家製粉石臼手打ち蕎麦処 草庵

自家製粉石臼手打ち蕎麦処 草庵
人気の鴨せいろは1890円

旧鶴来町の石川県ふれあい昆虫館の近く。全国のそばを食べ歩いた店主が、自然あふれる路地奥にある築150年ほどの古民家を改装し開いた。こういう野趣に富む佇まいは期待が膨らむというものだ。

玄そばは、福井や北海道など選び抜いた産地から、新蕎麦の時期に1年分仕入れて真空低温貯蔵で鮮度を保つ。店主が納得する味わいを求めてのこだわりは人一倍強い。

そばは、十割の田舎と粗挽き、九一のせいろの3種がある。国産の生鴨を使う「鴨せいろ」、築地直送のニシンを5日かけて炊く「にしんそば」などの評判メニューのほか、長芋や椎茸などを海苔で巻いた「そば寿し」(繁忙期は不可)の変わりメニューも登場する。最近では有名料亭で修業した二代目も加わり、今後も期待増の1店である。

石川県白山市鶴来日吉町ロ32
076-273-1090
11:30〜16:00 ※売切れ次第終了 木曜定休




滝そば ※閉店しています

滝そば
天ざるそば1300円と玉子焼300円

小矢部市の景勝地、子撫川上流にある宮島峡は山あいの自然と清流、一の滝や二の滝の小さな滝など自然散策を満喫できるエリア。そんな自然に囲まれた滝のそばにあるのが、「滝そば」だ。そば好きの店主が店を開こうとあちこち訪ね歩き、探し当てた一軒。古民家をリフォームした店内は、“お里帰り”したような雰囲気。そこでもてなす店主夫婦はイキもぴったりで、そのアットホームさがさらにいい。

小矢部産のそばを石臼で粗挽きにし、二八で手打ちするそばはもちろん美味。春は周辺の野山でとれる山菜の天ぷらがおすすめ。イチオシは近隣農家の産みたてを使う玉子焼。濃厚な味わいで素朴ではあるが目からうろこの一品だ。山里の風景を眺めながらのんびりしたい。

富山県小矢部市菅ヶ原104-2
0766-75-3000
11:00〜15:00 ※売切れ次第終了 火〜金曜定休、冬期休業




生そば 槐(えんじゅ)

生そば 槐
更科、挽きぐるみ、田舎の3色盛り
2145円
海老と野菜の天ぷら(二人前)
1210円

金沢からのと里山海道経由で約1時間30分、七尾湾に浮かぶ周囲約72qの能登島がある。海に囲まれた島には、のとじま水族館や能登島ガラス美術館などの観光施設と魚介料理の民宿が点在し、リゾートアイランドの趣だ。最近、フレンチやイタリアンなどの飲食店も増えているが、沖が注目したのは蕎麦の店。

昔ながらの古民家をそのまま利用しており、なぜか落ち着く店内。店主は、脱サラ組で、長野県上田市で修業をしている。八ヶ岳山麓のそば粉と隣り町に湧き出す清らかな湧水を使い、いっさいつなぎを使わない十割そばを打つ。そばの香りが口中でふわーっと広がり、そば好きにはたまらない一瞬。天ぷらや季節の変わりそばも楽しみたい。

石川県七尾市能登島向田町118-25
0767-84-0655
11:00〜16:00 ※売切れ次第終了 水曜定休




そば切り 多門

そば切り 多門
ざるそばのほか、おろしそば、
とろろそば各950円もある

石臼でそばの実を挽く店はあるが、その作業を手挽きにしているそば店はついぞ見たことがない。挽いた粉を触ると少しざらっとした感じで、いわゆる粗挽きというのか。どちらにしても、手作業のため1日30食程度がやっとという。粗挽きのそば粉は、そばの香りや味がもっとも楽しめるそば麺になる。打つと適度に空気が含まれ、その中に香りやうま味が閉じ込められ、それがそのまま口中に届くからだ。

石川県羽咋市で開業し、金沢の山里へ、そして富山県小矢部市、数年前に金沢郊外へと、移転を繰り返しているが、沖は羽咋時代から適度な間隔でどの場所にも通っている。なぜか食べたくなるのだ。また、遅めに寄って食べたあとは主人と語るのも楽しみの一つである。

そして2017年秋、羽咋の住宅街へと4度目の移転で古巣にもどっている。

ざるそば900円で、そばがき950円はそばを注文した人のみが注文可。

石川県羽咋市若草町78
0767-22-7008
11:30〜14:30(売り切れ次第終了)
月・火・水曜定休(祝日の場合は営業し、翌日休)




手打ちそば 加賀上杉

手打ちそば 加賀上杉
そばの風味よりも上品さを味わう
御前そばのざるそば1080円

仕事で山代温泉に寄ったおりに昼食となればここ。加賀上杉というように、主人が修業したのは能登半島にある「上杉」であり、この店の名物であった御前そばを、加賀上杉でも出している。沖は能登の上杉のそばも好きで食べにいくが、打つ人によって味わいが違うということが判明。そばの味がいい、悪いではなく、なんというか、能登はしっかりした味わい、加賀はやさしい味わいに感じるのだ。その土地の風土や店の雰囲気によっても違うのかもしれず、この古民家のしつらいも心地よい。

長野産のそば粉を中心に使うそばのおすすめは、御膳そばも田舎そばも味わえるふたみそば1620円。昆布とカツオでとった出しに自家製のかえしを合わせたつゆはあっさり系で口に合う。

石川県加賀市山代温泉通り42
0761-77-5026
11:30〜売り切れ次第終了 火・水曜定休(祝日は営業)




敬蔵

敬蔵
自家菜園で作るおろし大根は
白・緑・紫がある

風景の美しい田舎にこそ美味しいそばがあると思っていたが、実はそうではなかった!
ここ敬蔵は国道157号沿い(5mほど入るが)、野々市市にある。そばと丁寧に向き合う主人が打つそばは、噛むたびにそばの風味が口中に広がり、食べて良かったと安堵する。そば粉は、北海道や福井などから取寄せる玄そば(殻付)を、その日の分だけを石臼で挽いたものを使う。手打ちそばの職人ならあたり前のようなことだが、なかなか手のかかる作業であり、玄そばを自家製粉しているところもそう多くはない。

もりそばや塩つゆおろしそば、自家製にしん煮のにしんそばのほか、日替わりの創作そばも楽しみだ。
敬蔵のそばはもちろんおいしいのだが、私が好きなのはちょっとした一品料理。かえしで漬けた漬物や季節の工夫された料理など、種類は少ないが丁寧に作ってある。これも楽しみであり、一人でふらりと寄って食べることも多い。

石川県野々市市本町1-8-28
076-294-1486
11:30〜14:30 水曜、第3火曜定休




宿布屋

宿布屋
歯ごたえとそば本来の味を
堪能したいおろしそば

福井のそばは挽きぐるみの全粒粉を使うため、つるつると喉越しのいいうどんのようなそばを食べてきた石川人には毛嫌いされてきた向きがある。本物の田舎そばが何なのか見えてこない、そんな人にもおすすめできると思ったのがこの宿布屋のそばだ。

古民家を改装した店内は土間と板張りの床、昔の農機具などが置いてあり、懐かしい雰囲気。脱サラでそば屋を始めたという主人が打つのは、少し太めの田舎そばで、地元産のそば粉を中心に北海道産も使う。つなぎは自ら採りにいく自然薯芋。つゆはジャコなどでだしをとり、醤油で整えた薄味で控えめ。つるつる感はないが、素朴でありながらしっかりとしたそばのうまみが楽しめる一品である。メニューはおろしそば550円のみ。

福井県福井市宿布2-1-1
0776-41-1977
11:00〜18:00  不定休




蕎麦処くき

蕎麦処くき
そばのほかカキ料理も絶品

能登中島町(平成16年10月からは七尾市)、国道249号から七尾湾側へ少し入った場所にあるそば処。築100年を超す田舎の古民家を改装した店内は天井が高く、太い梁や柱がそのまま。囲炉裏や一枚板のテーブルがある座敷からは四季の花が咲く庭も望め、ゆったりと落ち着ける空間だ。

主人の久木さんは長年転勤族のサラリーマンだったが、平成15年、故郷にUターン。無類の蕎麦好きであったことから、この地で蕎麦屋を開くことになったという。ここを始める前に全国の蕎麦を食べ歩いた久木さん。蕎麦に対する情熱は熱い。石臼挽きの国産そば粉を使って打つ、十割そばの田舎ざる1200円、二八のざるセットは1200円。奥様手作りのそば粉を使ったケーキ(ケーキセット630円)も見逃せませんゾ。

石川県鹿島郡中島町小牧ラ69
0767-66-6690
11:30〜18:00(夜は予約のみ) 水曜定休(祝日の場合は翌日休み)




更科藤井
更科藤井
季節の野菜天そば
金沢の繁華街、飲み屋が集まる柿木畠の一角にある手打ちそば処。金沢中心街で、本格的な手打ちそばが味わえるのは数軒しかなく、その1軒で、2011年3月に片町から移転した。
東京の老舗『総本家更科堀井』からの暖簾分けとあって、蕎麦の実の芯の部分を挽いた粉を使う御前更科そば1000円がメイン。白っぽい喉越しのいいそばだ。ほかにも太打ちの荒挽きそばや柚子を入れた変わりそば、モンゴル高原のダッタンそばなどバリエーションは豊富。
昼はサラリーマンやOLが、夜は一杯飲みにくる客も多く、穴子や野菜の天ぷらや玉子巻き、焼き海苔ウニ付きなど一品料理も用意している。
カウンターとテーブルの小さな店のため、どうしても食べたい時はあらかじめ連絡を。申し訳ないが私は取材で3度もご馳走になった。その味というより(最高にうまいのですよ)、私は作る人のそば(料理)に対する姿勢に惚れる方なので、ここは断固おすすめだ。

金沢市柿木畠3-3
076-265-6870
11:30〜14:30、17:00〜22:00(売り切れ次第終了)、
日曜・祝日は11:30〜売り切れまで  Pなし




そば道楽みたき ※閉店しています
そば道楽みたき
南瓜や薩摩芋、玉葱、人参など
野菜の甘みがおいしいかき揚げ
霊峰白山の山懐に抱かれた鶴来より山方面の国道157号は、白山そば街道とよばれるほど多くの手打ち蕎麦屋が点在する。
ここ「みたき」は元金沢にあった姉妹店だったが、平成15年には金沢の店を閉じ、鳥越村1本で勝負している。そば粉も全部鳥越にこだわりたいところだが、年により作柄が変わるため福井産なども使用しているという。
白山の冷たい伏流水はそば打ちに絶好で、ひと口一口味わうたびに、そば本来の風味が身体中にしみわたる。
おすすめは、野菜かき揚げがタワーのようにそびえ立つ『かき揚げおろしそば』1100円。鳥越産の野菜がたっぷり入り、身体にもよさそう。「ざる」は800円。
そば豆腐やそばだんごなどの一品料理もあり、座敷に座ってゆっくり楽しみたいものだ。

石川県石川郡鳥越村下吉谷甲436-1
0761-95-5820 11:00〜16:00(麺がなくなり次第閉店)
木・金曜定休(祝日の場合は営業) P15台



そば処 一福
そば処 一福
塩味のつゆは美味 一皿700円
そばの文化がなかった石川県で、かつてはおいしいと思うそば屋が一軒もなかった。私がそばに目覚めたのは取材であちこちと食べ歩いてから。それまでは、そんなにうまいものではないと思っていた。
ある時、福井のそば屋を10軒ほど取材することがあり、この時食べ比べてみて初めておいしいそばがあることを発見したのである。一福のそばはおろしそば一本。手打ちの麺もさることながら、しょうゆ、生じょうゆのほか、珍しい塩味のつゆにひかれた。だしが効いたさっぱり味のつゆは、ひきぐるみのそばにぴったり。主人もこのつゆの味をだすのに10年かかったといい、その歳月をかけただけの味わいが静かに響いた。
石川県も近年では、本物のそば屋が顕著に増えて、そばの味が分かる人も増えてきた。こだわりすぎるのも嫌だけど、やっぱりきちんとしたそばを味わいたいものだ。

福井県池田町稲荷34-24-1
0778-44-6121
11:00〜14:00、15:00〜17:00 火曜定休