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授業分析で向山型算数を目指す 第6回 統率力を具現化する TOSS加賀 岩田史朗 |
今年度は本当に幸運であった。
それは、木村重夫氏と同学年であったからである。
毎日の算数で木村氏の「同時進行の向山型算数」を追試できる。向山型算数を目指すものにとってこれほど勉強になることはない。
今年度も、もう終わりである。
追試をはじめて、早一年がたった。
追試をする中で平均点が90点をこえることもあった。しかし、ほんの数回であった。
子どもが「算数が楽しい」ということもあった。しかし、多くのときは「え〜。算数いやだ〜」であった。
木村氏との平均点の違いは何か。子どもの反応の違いは何か。
それははっきりしている。授業案を生かす教師の力量の違いである。
では、具体的にどんなところが違うのであろうか。
幸いなことに木村氏が岩田の授業と木村氏の授業の違いを指摘してくださった。算数MLに発信した81回目の授業分析に木村氏が返信してくださったのである。
木村氏は木村学級と違うところとして「子どもがしゃべりすぎる」ことをあげている。
そして、その原因の一つとして
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教師の統率力の弱さ |
があるとおっしゃっている。
以下は81回目の授業分析である。
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【0秒】 |
子どものつぶやきがこの後もずっと続く。
このときは教科書を使わない普段と違う授業であったことを考えてもひどすぎる。
一言「黙って写しなさい」といえばよいのだ。
それをいえないのは、まさに統率力の弱さをあらわしている。
以下は83回目の授業分析である。
ここでも見事に教師の統率力の弱さがあらわれている。
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【0秒】 【16秒】 |
問題は8秒から16秒の間のやりとりである。
授業に入ろうとしているが、入れない。
教師が子どもに引きずられているのだ。
統率力が大切であることは、向山氏の著作を読み知っていたはずである。
しかし、それを授業の中で具現化することができていないのだ。
統率力を具現化するために必要なことは何であろうか。
それは、第一に
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教師の気概 |
であると考える。
子どもに力をつけたい。そのためには譲らないところは絶対に譲らない。従わせるところは従わせる。木村氏の指摘で、そういった教師の気概の必要性をあらためて実感した。