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授業分析で向山型算数を目指す 第3回 番号をふって指示を簡明にする TOSS加賀 岩田史朗 |
教科書には計算問題がズラーッと並んでいるページがある。
「れんしゅう」や「ふくしゅう」のページに多い。
そこを子どもたちにやらせるとき、ちょっとした混乱が起きた。
「〜までできたらもってきます。丸をもらった人は〜までやりなさい。」と指示するが問題数が多く、指示された問題が探せないのだ。
結果、教室は質問の嵐となった。
この結果を算数MLに発信するとさっそく返信があった。
問題に番号をふらせればよい、ということであった。
なるほどである。
「56÷7までできたらもってきます。丸をもらった人は64÷8までやりなさい。」より
「Bまでできたらもってきます。丸をもらった人はGまでやりなさい」のほうが圧倒的にわかりやすい。
以下に示すのは65回目の授業分析である。番号をふらせるやり方を追試したところである。
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T E、番号をいっていくので教科書に番号をつけなさい。 T そう。 【1分6秒】 |
この後、1人の子から何番までするのか質問がでた。
しかし、質問の嵐になることはなかった。(質問した子にはにっこり笑って「言いましたよ」で返した。)
ちょっとした配慮だがひじょうに効果があった。
以下に示すのは56回目の授業分析である。
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【3秒】 |
ここでは言葉で指示するだけでなく、する問題を指で指させている。
しかし、教科書を開いていない子が何人もいたのだ。
教科書を開いていないのに指で指せるわけがない。
(お隣と確認させているが、確認したかどうかの指示がない。これも問題である。「お隣と確認できたところは手を挙げなさい」等の指示が必要である。)
結果、質問の嵐となった。
では、ここで指で指させるのではなく、番号をふらせてはどうか。
番号をふることはここでいう時間調整にもなる。
順番に番号をふっていくだけなので混乱も少ない。
子どもたちがシーンとなって作業に集中していく姿が見えるようである。
番号をふらせる、何とも奥の深い指示である。