HIROTAの紹介 「何でもこい」コーナー

1998年9月13日付しんぶん「赤旗」(日曜版)

電動歯ブラシ
 

 

介護に「有効」、使い方「技あり」、そこで「一本」  

 

 しっかりと、かなりしっかりと磨いたつもりでいても、例の赤い染だし液をつけて、歯の汚れ(歯垢=プラーク)を調ペてみると、落ちていない個所があちこち。う−ん、むずかしい。
 ならば電動歯ブラシではどうか。
 そんなわれわれの質問に答えようと、実際に量販店〃売れ筋ベスト3”の機種を使い、その効果を確かめた氷川下セツルメント診療所歯科の報告をどうぞ。
 

「電動」と問いただけで、”楽にきれいにできる”と思ってしまうところが”素人”のよう。歯科医・歯科衛生士 向けの専門誌の特集を見ると、どうも簡単ではないらしい。手用歯ブラシとの比較では、「より優れている」とい う報告もあれば、「あまり差がない」という報告もあって、要するに結論が出ていないのです。

 

正しい使い方が大事  

 電動歯ブラシをまずは体験と、後藤さんと柳澤美佐紀さん、歯科医師の吉野英之さんが実験しました。選んだ機種 は価格が一万円前後のものです。  

 @外国製の反復回転型  

 A日本製の前後振動・反復回転型(持つところが太い型)  

 B日本製の前後振動型(持つところが細い型)  

 使用時間は三分間と十分間。いずれの機種とも、手用歯ブラシと比べ、「磨き残しが少ない」と出ました。

 

ほぽ一寝たきりの人に  

 慢性関節リウマチで手が不自由な人と、脳卒中で左半身まひでほぼ寝たきりの人に、電動歯ブラシを指導し、試し てもらいました。自分で歯を磨くことをあきらめていた人たちです。
 短時間ですが、本人も磨き、介護者も磨いてあげる。これで歯の汚れが一〇〇%から四五%に下がり、効果も大でした。介護書からも「力の加減をしないですむので安心して磨ける」と好評でした。
 電動歯ブラシの最大の利点はなにか?
 後藤さんの答えは。「手ではできない独特の動きで、正しい場所にブラシを当てることができれば、磨きにくいと ころでも簡単に磨けます。とくに高齢者、障害をもっている方、介護者にはお勧めしたい。自分の歯もむずかしいの に、人の歯を磨くのはもっとむずかしいからです」
 続けて吉野さんも。「手用歯ブラシと同じですが、歯の汚れをきちんと落とし、歯周病(歯槽膿漏)を予防するた めには、電動歯ブラシに加えて、補助的清掃道具(歯間ブラシ、デンタルフロス)を組み合わせて使いましょう」
 


 

 「電動歯ブラシを買っても、使わない方のほとんどは、正しい使い方(磨き方)わくわからないということでした。
 できれば購入後に電動歯ブラシ指導を受けることをおすすめします」(後藤さん)
 


 

 

 

(写真解説、右の機種から)
 

毛先が硬く、振動も大きい。持つところが太く、手用歯ブラシの握れない人向き  

持つところが太く、振動の強さが調節できる。
 毛先の種類=前後振動(右)、回転(中)、歯間(左)=が豊富で用途に応じて使い分けができる。
 介護者には別売りの回転ブラシがおすすめ
 

持つところが細く、手用歯ブラシ感覚で握ることができる。
 重さは軽いが、やや振動が大きい。最近、改良型も市販されている。
 写真左は歯周ポケットブラシ
 

 

 

 


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