昨晩、21時過ぎ、ちょっとした事件があった。
おりんさんが、合唱団のエレベーター前ではしゃいでいて転倒し、後頭部を強打して出血し、救急病院に運び込まれることになったという顛末。
「遅いなぁ、まだかなぁ」
と、合唱団ロビーで待っていたパパのところに、仕事先の妻から電話。
なんだ?
「りおんが合唱団で転んで頭から血を流してるって! 救急車呼んだんだって!」
と。
一瞬息が詰まって血の気が引く。
合唱団事務局の緊急連絡先が妻になっているので、すぐに連絡を取ってくれたのだろう。
今夜は、俺が迎えに来ることになっていたので、すぐに妻が知らせてくれて助かった。
慌てて受付のおじさんに確認し、程なくやって来た救急隊と一緒に7階の合唱団事務所へ。
まさか!と、不安が心中をよぎったが、頭を抑えて泣きじゃくるおりんの様子を見て安心した。
意識もあるし、こんだけ騒いでりゃ大丈夫だ。
椅子に座らされたおりんが、大粒の涙をこぼしながら、半分パニック状態で嗚咽を漏らしている。
パパの顔を見て余計に泣いている。
白いポロシャツには、ところどころに血がべったりとついている。
可哀そうに・・・
長い髪の毛を掻き分けて傷口を調べると、3センチメートルほどのぶよぶよたんこぶ血腫の真ん中に、1センチメートルほどの傷口がぱかっと開いている。
「まだ少し血が噴き出していますねぇ。」
「こりゃ縫わなきゃいかんかな。」
「痛いだろうなぁ。」
「髪の毛剃らなきゃいかんかな。」
傷口を見ながら救急隊のお兄さんとパパとでそういう話をするたんびに、怖くて泣き出すおりんさん。
「泣きたきゃ泣きなさい。 病院で手当していただいたらよくなるよ!」
と、平然と言い放つパパに、気も動転していた合唱団の事務所の皆さんも、ようやく落ち着いた様子。
ぶつけた壁の角っこを拝見したが、そんなに鋭角でもなく、よっぽど強打した!というだけ。
ましてやはしゃいでいたのはおりんさんであることは明白であり、むしろ心配をおかけした事務所の皆様にお詫びをして、平身低頭する。
CTスキャン診断で「骨折」「血腫」が内部になければ心配ないだろう。
顔色を見る限り、平常であるし、本人は痛さと、恥ずかしさと、申し訳なさと、血の臭いで、興奮してパニックになっているだけ。
救急処置をしていただいた後、担架に寝かせて、救急車に運び込み、いっしょに日赤救命センターまで向う。
まさか夜中に救急車に同乗することになろうとは思わなかった。
まぁ、人生こういうこともあるさ。
大事に到らなくてそれだけはよかった。
心配している仕事先の妻に、大事に到らず大丈夫だということと、病院での処置の様子を逐一伝える。
最終的に、CTスキャン検査の結果(異常なし)を伝えて安心してもらう。
「明後日の午前中に傷口を診せに来てください。 10日後には抜糸できるでしょう。 お薬は化膿止めの抗生物質を出しておきます。 痛みが激しかったら市販の痛み止めを飲ませてください!」
との診断をいただき、ホッと一安心。
途中までお借りしていた車椅子を返し、ゆっくりと歩いて寄り添って帰る。
お薬をいただき、支払いを済ませ、病院を出たのは夜中の23時。
病院からタクシーに乗り、合唱団駐車場の車に乗り換えて、自宅に着いたのは夜中の24時前。
本当にもう・・・
自宅では心配していたママが、思いのほか元気な姿のおりんさんをみて、安心していた。
子どもがいると、こういう突発的なことが良くあるんだなぁ・・・
はしゃぎ過ぎないようにと、言い聞かせて、寝付かせる。
・・・・・という顛末だ。
今朝は、ふつうに6時過ぎに起きるおりんさん。
お風呂には入れないので、血で濡れた髪の毛や身体を濡れタオルで拭いてあげる。
「学校には、行ってもいいですよ!」
とのお医者さんの答えだったので、連絡帳に昨日のことを記述して、後頭部には気をつけるようにと担任の先生にお願いして、学校に送り出す。
自宅に戻ると、すでにおりんさんは疲れ果てて寝ていた。
昨夜は深夜まで大騒ぎしていたから、疲れたのだろう。
|