馳浩の古典こらむ

 山里は             
 冬ぞさびしさまさりける
 人めも草もかれぬと思へば

源宗于(むねゆき)朝臣
?〜939
(古今和歌集)所収
 


 もし、私たちが住んでいるこの地球上に、人類も動植物も生き残ることができなくなってしまったら、と考えたことがおありでしょうか。そんなことは世界的な核戦争が起こるか巨大いん石が地球にぶつかるかでしか起こり得ない。映画の中でだけのストーリーとお考えの方がいるとしたら、それは甘い、と言わざるを得ない。何千万年という地球形成のプロセスを考えるならば、近い将来きっと人類は破滅の道へと歩き出すに違いない。

 その理由は、地球温暖化問題である。どんどん地球の温暖化が進むとどうなるか。北極や南極の氷が溶け、海面が上昇する。陸地であったところが海面下に沈む。気温の上昇により疫病が流行し、たくさんの人が死ぬ。作物がとれなくなり、食糧難となる。何よりもこれらの事態によって既得権益の争いが国同士で起こり、地域紛争の原因が増える、などなどである。

 地球温暖化はオゾン層の破壊が原因。オゾン層を破壊する温暖化ガスが二酸化炭素など。これらのガス排出を規制し、省エネにつとめようという会議がCOP3(地球温暖化防止京都会議)である。

 この歌は『山里、人もいなくなり草も枯れてしまう冬こそ寂しさが身にしみる』という意味。

 このまま地球を放っておけば、この歌のように人もいなくなり、生物の住まない星になってしまう。環境は未来からの借り物である。少しでも便利な生活を改め、美しい緑の地球を守っていかねばならない。

                    
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