馳浩の古典こらむ

 梅一輪            
 一りんほどの
 あたたかさ

 服部嵐雪(らんせつ)
1654〜1707
『玄峰(げんぽう)集』所収


 開幕戦に向けて、プロ野球のオープン戦がたけなわである。若手もベテランも入り交じっての調整期間。それぞれの選手のコンディションをチェックし、それによってチーム事情や戦力評価をし、シーズンヘ向けての仕上げの段階に入ろうとしている。

 ファンとして、今年も興味は尽きない。

 清原は巨人にFA移籍していきなり4番の座につくのだろうか。生え抜きの大砲、松井とのホームラン争いは40本に届くのか。

 桑田は復活してローテーション入りするのだろうか。阪神は今年こそ最下位脱出できるのだろうか。ナゴヤドームを本拠地とする中日ドラゴンズの野球は変質するのか。オリックスの連覇はなるのか。イチローと葉月里緒菜のウワサは結婚に発展するのか、ナドナド。

 一日の仕事を終え、スポーツニュースをながめながら友人とかわすプロ野球談議は、多くの国民の偉大な娯楽であるのだ。まさしく、今年のシリーズを占う花(話題)が一つ一つ開いてゆくのである。好きなチームの話題が多ければ多いほど、心も温まっていくというワケ。そんな意味でも、この句は球春を待ちわびる人たちのはずむ心を的確に表現してくれる。

 もちろん、花(話題)があでやかに開いた後には、立派な実(好成績)がついてほしいのだけど。 

 ちなみに私のお気に入りは巨人とダイエー。松井は星稜高校の後輩だし、ダイエーの湯上谷内野手は同郷(富山県)であり、教え子だから。

二人の活濯で、ファンの心を熱くしてもらいたい。


[戻る]