馳浩の古典こらむ

番号をクリック

No.81

梅一輪
 一りんほどの
  あたたかさ

服部嵐雪
らんせつ
1654〜1707
『玄峰(げんぽう)集』所収

No.82

花時(とき)あり
 牛のかよはぬ
  日はなけれども

三井秋風
しゅうふう
1646〜1717
『打曇砥』所収

No.83

しみじみと
 子は肌へつく
  みぞれ哉

斯波園女
しばそのめ
1664〜1726
『曠野』所収

No.84

ひさかたの
 光のどけき春の日に
  しづ心なく花のちるらむ

紀 友則
きの とものり
生没年未詳
古今和歌集

No.85

銭臭き
 人にあふ夜は
  おぼろなり

夏目 成美
なつめ せいび
1749〜1816
成美家集

No.86

なげけとて
 月やは物を思はする
  かこち顔なるわが涙かな

西行法師
さいぎょうほうし
1118〜1190
千載和歌集

No.87

世の中は
 三日見ぬ間に
  桜かな

大島 蓼太
おおしま りょうた
1718〜1787
蓼太句集

No.88

我影に
 追ひ付きかぬる
  こてふかな

立羽不角

1662〜1753
続の原

No.89

竹の子や
 あまりてなどか
  人の庭

大伴大江丸
1722〜1805


No.90

あらざらむ
 この世のほかの思ひ出に
  いまひとたびのあふこともがな

和泉式部
生没年未詳
後拾遺和歌集


戻る