馳浩の古典こらむ

 絶頂の             
 城たのもしき
 若葉かな

  与謝蕪村
1716〜1783
『蕪村句集』所収


 人間は日々進化すべきである。昨日より今日。今日より明日。一歩ずつでも向上するように努力をし、結果を出そうとし続けることこそ、生きる源泉であるはず。

 プロゴルファーの尾崎将司選手(49)を見ていて、私はいつも勇気づけられる。彼はどのプレーにもプロとしての自信を持ち、どの勝利においても自己表現のアピールを忘れない。つい先日も、プロとして記念すべき一勝目を挙げた思い出のコースで百勝目を達成した。彼は「こんな衝撃的なこと自分にしかできないね。自分はトップに立てるという確信があったし、それだけの能力があると信じていたから」と雄弁に語った。彼のこの発言に私から補足させていただけるなら、

「ジャンボ尾崎にはトップに立つために努力する能力がある!」と断言したい。人間誰(だれ)しも、ジャンボにはなれないが、ジャンボのような心構えで生き、仕事に情熱を傾けることは十分可能なことである。

 時代は有言実行を求めている。自己の能力を最大限に発揮し、正々堂々と他者と競争すべきなのである。そのようなたくましい生き方こそが、社会全体に活力を与えることになるのだ。この句は、「高い位置に天守閣をおいた城は、頼りありげに周囲の裾(すそ)を若葉でいっぱいにしているよ」の意。

 みずみずしい若葉。その絶頂におる天守閣。この句のように成長し、勝ち続け、努力し続け、我々に活力を与えてくれるジャンボ尾崎に、声援を送り続けたい。


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