馳浩の古典こらむ

 皆人の
 すがたかたちは みゆれども  
 心のすがた 見る人もなし

 木喰上人五行

 エアマックス
 すがたかたちは みゆれども 
 スポーツマンシップ 見る人もなし

 馳浩〔1961〜〕


 さて、流行というものは物価を異常に変動させるようである。日本シリーズの巨人対オリックス戦でも、入場券を定価の数倍でウラで売りさばいていたダフ屋が逮捕されたりもしている。スポーツにこんな不心得者がかかわってくるのは許せない出来事。

 ところが、中学生や高校生の間ではまさしくスポーツ精神をないがしろにする事件が最近起きている。チョー人気のスポーツシューズ、ナイキ社製の『エアマックス』の取引についてである。定価で1万5千円のこのシューズに、3万円〜12万円の高値をつけて販売する業者がいるという。それだけの希少価値があるのだろうが、そうは言うもののたかがシューズ。どう考えたって運動するかファッションのため。つまりお遊び、趣味じゃないか。どうして『株』のように値上がりするの?。ところがこの異常高値に目をつけて、偽造品(二セモノ)が出回ったり、エアマックス狩りといって、このシューズをはいている人に対して恐喝や詐欺、盗難事件が次々と発生しているという。

 冒頭に示した歌で、私の主張としたい。

 「エアマックスというシューズの機能性とデザインのかっこ良さはそりゃすごいで。

でも、それにふさわしいスポーツマンがはきこなしてこそ、本当にエアマックスの良さが他者に認知されるんや。」

『かっこより中身やで!』

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