馳浩の古典こらむ

 ふるさとを
 はるばる出でて 武蔵野の
 隈
(くま)なき月を ひとり見るかな

良寛
1758〜1831


Jリーグも白熱の試合が続いてる。一時はサッカー人気も低迷していたようだが、日本代表チームが五輪出場を勝ちとったこともあり、若手人気選手を中心に勢いを盛り返してきた。
 しかし、一チームだけ取り残されている。
 連敗街道をバク進中の京都パープルサンガのこと。これでもプロチームかと思わせる試合内容で、Jリーグのお荷物。
 ところが、そこに救世主のように現れたのがヴェルディ川崎から移籍してきたラモス璃偉。ヴェルディ内のいつもの内紛劇がひきがねとなった突然の移籍。私は歓迎すべきことと思っている。日本人はとかく義理人情や恩にしばられて、新天地を求めることに理解がない。けれど、プロスポーツの世界はそうであってはならない。あくまでも、興行人気と実力が評価されるべきところ。ラモスの取った行動は評価されてしかるべきものだ。
 ただし、ラモス加入というカンフル剤が打たれても、なかなか勝てない。ま、チームスポーツは一人のスーパースターがいても、周りがフォローしなければ効果的な働きをできないのだから、結果を求めるのは今の段階では無理かもしれないが。
 プロとしては老体のラモス。彼が懸命に走り、ボールを追い駆ける姿に勇気を与えられるファンは少なくないだろう。
 皓々(こうこう)たる月のひかりに照らされながら、異郷で闘うラモス 選手に声援を送りたい。
 
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