馳浩の古典こらむ

 (こがらし)
 果
(はて)はありけり
 海の音

池西 言水 いけにし ごんすい
1650〜1722
都曲 みやこぶり


 

 橋本政権となって初めて迎える通常国会は、「住専」国会と呼ばれている。
 都市銀行、地方銀行、生損保の保険会社などの民間金融機関が、個人向け住宅ローンのために作った「住宅金融専門会社」七社が整理される問題で、どうして民間金融機関処理の穴埋めのために6850億円もの公的資金(つまり国民の血税)を使わなければいけないのか、との世論の非難のあらし。
 久保大蔵大臣や、大蔵省の西村銀行局長が予算委員会で、「金融秩序維持安定のため止むを得ず」「内外からの信頼確保と預金者保護のため」といくら力説して答弁しようとも、具体的に、「住専処理に6850億円を使わなかったらどう金融恐慌が発生するのか?」「だれにどう経営・行政責任をとらせるのか?」の具体例が示されなければ、我々国民にはさっぱり理解できない。税金導入反対の野党にしても、対策を提示しているわけでもなく、街頭演説作戦で世論をあおっているばかり。
 はてさて、住専という「こがらし」吹き荒れる国会には、行きつく「果」はあるのだろうか?

 この句では、こがらしの音は厳しい冬の海の響きにかき消えて行く、とある。

 私は、住専問題はあいまいにかき消えるようなことになってはならないと思うし、そうしてはならない。早急に処理をし、明確に責任をとらせる政策で、国民の怒りにこたえなければならない。


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