馳浩の古典こらむ

 天の原
 ふみとどろかし 鳴る神も
 思ふなかをば さくるものかは

読人知らず
古今和歌集 巻十四 701


 プロゴルファーの西川哲さんと、タレントの菊池桃子さんの結婚式が無期延期になってしまった。さわやかなカップルに何が起こったのだろう。
 原因は、西川さんの父親のカミナリだった。
 「日本一の花嫁さんをもらうのだから、おまえもがんばって、桃子ちゃんにふさわしい一人前の男になれ」と言ったという。
 西川さんは、昨年の成績がふるわず、年間を通して大会に出場できるというシード権を失ってしまった。父親としては、今年がんばってシード権を取り戻し、胸を張って結婚式を挙げろ、ということらしい。
 私は、おいおいちょっとやめなよ! とこのガンコ親父に言いたい。
 結婚しようとする若い男女が一人前であることなんて必要ないじゃないか。むしろ、未熟な二人が愛情というエネルギーによってお互いに成長していくことこそ自然な姿。
 父親がしゃしゃり出て来たものだから、桃子ちゃんなんて心労で血を吐いて入院してしまったじゃないか。いらぬおせっかいだよ。

 「大空を踏み、響かせて鳴る雷だって、愛し合っている二人の仲を引き離すことができようか」というのがこの歌の意味。

 西川さん、親父のカミナリなんかにブルってないで、自分の意志を貫いて、桃子ちゃんとステキな結婚式を挙げ、幸せになってください。できれば、本業のゴルフでも勝利を挙げて、我々ファンを喜ばせてください。


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