馳浩の古典こらむ

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No.11

世の中を
 厭しとやさしと 思へども
  飛びたちかねつ 鳥にしあらねば

山下憶良

660〜733
万葉集 巻五 八九三

No.12

天の原
 ふみとどろかし 鳴る神も
  思ふなかをば さくるものかは

読人知らず


古今和歌集 巻十四 701

No.13

世の中に
 絶えて桜の なかりせば
  春の心は のどけからまし

在原業平朝臣
ありわらのなりひら
825〜880 古今和歌集
巻第一 春歌上

No.14

あひみての
 のちの心に くらぶれば
  昔は物を 思はざりけり

権中納言敦忠
あつただ
906〜943 拾遺和歌集
巻十二 恋二 710

No.15

歌書よりも
 軍書にかなし
  芳野山

各務支考
かがみしこう
665〜731
俳諧古今抄

No.16

七夕の
 なかうどなれや
  宵の月

松永貞徳
まつながていとく
1571〜1653
犬子(えのこ)集

No.17

あはれとも
 いふべき人は 思ほえで
  身のいたづらに なりぬべきかな

謙徳公
(藤原伊尹 これただ)
924〜972
拾遺和歌集 巻十五恋五

No.18

青葉さへ
 見れば心の とまるかな
  散りにし花の 名残と思へば

西行

1118〜1190
山家集

No.19

恋ひ恋ひて
 逢える時だに 愛しき
  言つくしてよ 長くと思はば

大伴坂上郎女
おおとものさかのうえのいらつめ
生没年未詳
万葉集 巻四 六六一

No.20

行秋の
 草にかくるる
  流れかな

加舎白雄
かやしらお
1738〜1791
白尾句集


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