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黒髪に |
大伴坂上郎女 おおとものさかのうえのいらつめ |
姉さん女房がブームとか。
なるほど。チヤホヤしないと機嫌をそこねてしまう小娘とつき合うよりは、酸いも甘いもかみしめている年上女性の方が、世のマザコン男にとっては好都合。
この歌は、作者の三十代半ばの作。
郎女が、兄大伴旅人に呼ばれて九州に行った時に、宴席で戯れに作った歌といわれている。
老女のことを歌っているが、実際にその時の郎女はまだ「現役」バリバリなのであるから、半分からかいの意味も含まれていよう。「この老いの身になって、こんな恋をするはめになってしまって」という歌意。
そこで思い出したのが、小宮悦子さん。
金も名誉も地位も知恵も(ついでに美貌(びぼう)も)あるこの才女が選んだ男性は、九歳年下のディレクター。
ふだんは生まじめにニュースを読んでいる彼女も、結婚発表記者会見の時は、まるで十代の娘のように紅潮した笑顔で「年下の夫」のことを話していた。
お姐(ねえ)さまの貫禄十分のようでもあり、嬉(うれ)し恥ずかしのようでもあり、の印象だった。
それにしても。恋のリードも女性の方に実権が移ってしまったようで、男性陣にとっては嘆かわしい限り。
とは言うものの、かく言う私の女房も、年上なので大きな顔はできない が・・・
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