馳浩の古典こらむ

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No.1

越の海に
 群れはゐるとも都鳥
  都の方ぞ 恋しかるべき

源 順

みなもとの したごう
911〜983 源順集

No.2

遂に行く
 道とはかねて聞きしかど
  昨日今日とは 思はざりしを

在原 業平
ありわらの なりひら
825〜880 伊勢物語

No.3

招かねど
 あまたの人の集くかな
  富といふものぞ 楽しかりける

平 兼盛
たいらの かねもり
? 〜990

No.4

しみじみと
 子は肌へつく
  みぞれ哉

秋色
しゅうしき
1669〜1725 三上吟

No.5

離別れたる
 身を踏込んで
  田植哉

与謝 蕪村
よさぶそん
1716〜1783 蕪村句集

No.6

なげきつつ
 ひとり寝る夜の明るく間は
  いかに久しき ものとかは知る

右大将道綱母
うだいしょうみちつなのはは
生没年不詳 蜻蛉日記

No.7

天ざかる
 鄙に五年住まひつつ
  都の風俗 忘らえにけり

山上億良
やまのうえのおくら
659〜733

No.8

寒き夜や
 我身をわれが
  不寝番

小林一茶
こばやしいっさ
1763〜1827 寛政句帖

No.9

散ればこそ
 いとど桜はめでたけれ
  うき世になにか 久しかるべき

伊勢物語

第82段

No.10

黒髪に
 白髪交じり 老ゆるまで
  かかる恋には いまだ逢はなくに

大伴坂上郎女
おおとものさかのうえのいらつめ
生没年未詳『万葉集』
巻四 五六三


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