馳浩の古典こらむ

 越の海に
 群れはゐるとも 都鳥
 都の方ぞ 恋しかるべき

源 順 みなもとの したごう
911〜983
源順集


 「デモクラッツ」
 平成5年12月に発足した社会党右派、中間派などによる政界再編推進の政策集団。
 連立政権への復帰を画策したものの、左派の自社連立の実現で主導権を失ってしまった。このデモクラッツの旗頭として、顔として、連立政権の救世主となるはずだったのが、現北海道知事の横路孝弘氏。
 都である東京から見れば、ひなびた地方となる北海道で、次の時代を虎視眈眈(こしたんたん)と狙っていたものの、時の勢いに乗り切れずにいまだしがらみの雪に閉じ込められたままの感は否めない。
 源順は貴族としては中流。藤原氏全盛の平安時代の政治世界にあって、70歳にしてありついたのが能登の国守。政治家としては冷や飯を食わされた立場にあったわけだ。

 この歌は、地方に下る順のために友人が送別の宴を催した時に詠まれた 歌。
渡り鳥でもある都鳥よ、越の海に群れる仲間はいるだろうけれど、やっぱり都が恋しいだろうなぁ、私もその通りだよ、という意味である。

 順は、赴任した能登の国で人生を終えている。さぞかしさびしい思いで死んで行ったことだろう。
 横路さんも、今は都鳥の心境だろうか?
 都を恋しく思っているだけでなく、行動を起こして中央政界にカムバックして活躍してほしいものである。


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