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子どもを意欲的に音読させ、一単元音読10回を保障する

題名の横に○を10個書かせる指導を支える3つの技術

TOSS加賀/岩田史朗

2003年1月発行『道』第16号掲載論文



教科書を音読させる際、最初にする指示は次のものである。

題名の横に、鉛筆で小さな○を10個書きなさい。1回最後まで読み終わったら、それに赤い丸を塗ります。

(向山型国語教え方教室 2002 No.010 1ページより引用)

 子どもを意欲的に音読させるための、向山氏の有名な実践である。

 この実践を初めて知ったのは初任のときであった。さっそく授業に取り入れたのを

憶えている。

 しかし、自分はこの実践を全く理解していなかった。

なぜか。

それは、この実践の後半部分を追試していなかったからである。

学校で読んでも家で読んでも一回読めば一つ○をぬります。そして、次の時間にほめるのです。

(教室ツーウエイ 2002 No.259 イラストで見る「新教育過程」より引用)

自分は、次の時間にほめるということをしていなかった。大切な部分をはずしていたのである。

もちろん、家で読んでくる子が出るはずもなく、意欲的とは決していえなかった。

支える技術1 必ずほめる

2年目、さっそく後半部分を追試することにした。

授業の最初に、音読してきた子を挙手させ、回数を聞き、ほめる、というやり方でおこなった。

効果はすぐに現れた。

多くの子が家で音読をしてきたのである。

中には、1単元100回以上音読してくる子も現れた。

驚くべき効果である。

しかし、その効果は長くは続かなかった。

一部の子は熱心に取り組んだが、大多数の子は家で読んでこなくなった。

3年目、伴一孝氏の次の文に出会った。伴学級国語の授業の一場面である。

読んできた子を起立させ、何回読んできたかを発表させる。これを聞きながら私は名簿に記録していく。こうやって評価しているところを、ちゃんと子どもに見せることも大切だ。   (子どもに力をつける基礎・基本の徹底システムP123より引用)

 言葉でほめるのは難しい。

 心から思っていない言葉は宙に浮いてしまう。

 自分はとりあえずほめていた。

 当然のごとく言葉が宙に浮いていたのだ。

 子どもの心にほめ言葉が届いていなかったのだ。

 伴氏は「評価は「名人」の芸であり、「評定」は常人の技なのだ(向山型国語教え方教室2002 No.009より引用)」と述べている。回数を記録することは評定である。

 だから子どもが意欲的になるのである。

支える技術2 回数を記録する

  現在、伴氏の指導を追試している。

 毎時間半分以上の子が家で音読をしてきている。

 ほとんどの子が10個の○を塗り終わり、○を書き足している。

 しかし、残念ながら10個の○が塗り終わらない子もいる。

 これが現在の状態である。

一つの単元を全員に最低10回は読ませたい。

 では、どうするか。

 第一に考えられるのは、授業の中で一人の子が全文を10回読めるよう工夫することである。

 しかし、長文である場合なかなか難しい。

 他に案はないかと探してみると次の文に出会った。TOSS長崎が発行している「長崎向山塾20」伴一孝Q&Aの中の文である。

 私の学級にもいますよ。全然読んでこない子。どうするかっていったら、

丸10個塗ってない子は、テストもらえないっていうシステムにするんですよ。

(長崎向山塾20 P31より引用)

 また、次の文にも出会った。小松裕明・TOSS平成白樺サークル著「読み書き計算全員80%習得の詰めのシステム」の中の文である。

さらに、○の数に応じて教師が判子を押して評価する。

  音読20回……判子一つ

  音読50回……判子二つ

  音読100回……判子三つ

  音読200回……判子四つ

(読み書き計算全員80%習得の詰めのシステム P13より引用)

 どちらもチェック機能が働いている。

 全員に○10個を塗らせるにはチェックが必要なのである。

支える技術3 読んだか読んでいないかチェックする

次の単元でぜひ追試したい。


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