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TOSS加賀/岩田史朗
2002年11月発行『道』第14号掲載論文
2学期に入って漢字テストを9回行った。
平均点は次のようになった。
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1回目 98.7 2回目 96.7 3回目 91.0 4回目 93.0 5回目 95.0 6回目 97.7 7回目 97.7 8回目 95.4 9回目 95.3 |
全てのテストで平均点90点をこえることができた。
平均点90点を目安とするなら、まずますの結果である。
ちなみに、今年度はあかねこ漢字スキルは使用できなかった。
使っているのは短冊形の繰り返しドリルである。
指書き、空書き、なぞり書き、写し書き、というあかねこ漢字スキルのシステムを取り入れて漢字指導を行っている。
では、漢字指導の中で「詰め」をどのように行っているか。
木村重夫氏は「詰め」について次のように述べている。
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「教科書通り教えたつもり」でも、子どもの実力が向上しない時の大きな要因は「詰めが甘い」ことにある。 『詰め』を徹底させるために必要なのがこれである。
向山型算数教え方教室No3 P1より引用 |
「詰め」とはつまり「確認」をすることなのである。
では、漢字指導の中にどのように「詰め」=「確認」を取り入れるか、以下に述べる。
詰め1 お隣チェック
空書きをした後、必ず隣通しでチェックさせている。
空書きの際、何となく指を動かしていた子も真剣にならざるをえない。
また、間違って憶えていた場合、ここでなおすことができる。
効果は抜群である。
詰め2 なぞり書きチェック
なぞり書き、写し書きをさせた後、教師の所にもってこさせている。
伴一孝氏は「なぞり書き」について次のように述べている。
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よく間違う子というのは、この「なぞり書き」をきちんとやっていない場合が多い。だから細かいところでズレてしまう。 子どもに力をつける基礎・基本の徹底システム P73より引用 |
教師のところにもってこさせることで、なぞり書きを真剣にせざるをえない。もちろんなぞり書きがはみ出ていたら書き直しである。
また、漢字ドリルの丸付けもここで行うことができる。
まさに一石二鳥である。
詰め3 念のためテスト
テストの前日には念のためテストを行っている。
念のためテストとは、国語のノートに@からIまで番号をふらせ、教師が問題を板書する。答え合わせは自分でドリルを見て行うというものである。
子どもは憶えた気になりがちである。また、間違えて憶えていることもある。
念のためテストをすることで、自分がどの漢字を憶えていないか、どこに気をつければよいのかに気づくことができる。
以上が本年度漢字指導に取り入れている「3つの詰め」である。
先ほど、「詰め」とは「確認」であることを木村氏の引用をもとに述べた。また、「詰め」にはもう一つ共通することがある。
それは、どの「詰め」も緊張場面を設定するということである。緊張場面であるから子どもの力が伸びるのである。
「詰め」を考える上で忘れてはならない視点である。