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「しんぶん赤旗」 1998年9月12日(土曜日)


   豪雨災害救助対策の諸制度活用の手引き (上)   
 

1998年9月10日




 はじめに  

 このたびの豪雨で被害を受けられた皆さまにたいして、こころからのお見舞いを申し上げます。
 今回の記録的な豪雨の被害状況については、調査がすすむにしたがって深刻な事態がいっそうひろがっています。
 まだ、家や周辺の片付けをはじめとして災害復旧の渦中であると思いますが、日本共産党は被災された方一人ひとりの災害復旧・生活再建の一助としていただければと、「豪雨災害救済対策の諸制度活用 の手引き」を作成しました。
 制度の概要程度の記載ですが、お役立ていただければ幸いです。
 各制度の詳細への擬問や具体的な要望については、地元の地方議員、党事務所やお近くの党員にお寄せください。
 なお、災害救助法による支援については、一応の所得制限や期限などの基準が定められていますが、基本的に「援助を必要とする人を支援する」という法の趣旨を徹底させるようにすることが大切です。
また、災害救助法の適用がなくても、同一災害による被害であり、同等の支援を県などに求めることも必要です。




当面の生活について




 公営住宅や仮設住宅への入居(災害救助法)


 災害で住宅を失うなどの被害を受けた方はなるべく早く、市町村に申し込みましょう。公営住宅・仮設住宅ともに必要数を確保することを国は約束しています。
 なお、公営住宅は所得制限をはじめとした入居基準などの制限をとり払い優先入居の措置がとられます。また、仮設住宅については、希望地への建設や、世帯の人数に応じた居室数など、生活の基盤となりうる住居となるようにすることが大切です。




 障害物の除去について(災害救助法)


 居室、炊事揚、玄関等に障害物が運び込まれているために生活に支障をきたしている場合で自力では除去することのできない方は、除去してもらうことができます。
 災害発生時から十日以内。ただし厚生大臣の承認により延長できますので、必要な場合は市町村に申請しましょう。(一世帯当たり十三万九千六百円以内)




災害弔慰金、災害障害見舞い金について


 災害で亡くなられたり、重度の被害にあわれた方にたいし、「災害弔慰金の支給等に関する法津」にもとづき、災害弔慰金と災害障害見舞金が支給されます。
 居住地の市町村が災害救助法の適用を受けていなくても、今回のように大きな災害について一連の災害被害とみなして支給の対象となりますので、市町村の窓口に申請しましょう。




【災害弔慰金】


 配偶者、子、父母、孫、祖父母が亡くなられた場合、最高で五百万円の弔慰金が支給されます。




【災害障害見舞い金】


 災害により重度の障害を受けた方にたいして、最高で二百五十万円の見舞金が支給されます。




生活福祉資金の災害援護貸付(災事援護資金との併用はできません)


 災害を受けたことによる困難から当面の生活維持に必要な経費として、百五十万円を限度に貸し付けを受けられます。
 利率は年三%(県独自で利子補給をおこなっている揚含もあります)。
 据え置き期間一年、償還期間七年以内。申し込み窓口は民生委員を通じて市町村の社会福祉協議会。




生活福祉資金の更生資金(生業費)


 生活が困難な場合、生業を営むのに必要な経費として、百四十万円を限度に貸し付けを受けられます。
 利率は年三%(県独自で利子補給をおこなっている場合もあります)。
 据え置き期間一年、償還期間七年以内。申し込み窓口は民生委員を通じて市町村の社会福祉協議会。






家屋の補修、家財の買い替え、住宅の建て替えなど




住宅の応急処理をしたいが、資金に困っているとき(災害救助法)


 住家に被害を受け、みずからの資力で応急処理をすることができない場合、居室、炊事揚および便所等日常生活に必要最小限度の部分について応急修理をします。
 期間は一カ月以内。
 申し込みは市町村の窓口。(一世帯あたり四十三万二千円以内)




災害援護資金の貸付


 災害により、負傷又は住居、家財に被害を受けた方で、前年の所得が市町村民税の課税標準で七百三十万円(四人世帯)未満。
 ただし住居が滅失したばあいは千二百七十万円未満の世帯が対象となります。
 貸付限度額は三百五十万円。 年三%(ただし、国からの資金は無利子であるので、市町村の判断で利子補給ができます)、据え麿き期間は三年(特別の場合は五年)、償還期間は十年(据え置き期間を含む)。申し込みは市町村の窓口。


 ★居住地の市町村に災害救助法が適用されていなくても、同県内に災害救助法が適用された市町村が一つでもある場合は対象になります。




母子寡婦福祉貸付金
 母子家庭の母寡婦が、住宅の建設、購入、補修などのために必要な資金について、年三%(ただし、国からの資金は無利子であるので、県の判断で利子補給ができます)で百五十万円まで貸し付ける(特別な場合二百万円)。
 据え置き期間六カ月、償還期間六年以内(特別な揚合七年)(支払い期間の猶予と据え置き期間の延長あり)。
 申し込み窓口は県の福祉事務所。




 災害復旧住宅資金の貸付


 融資対象地域に指定されていて(八月上旬の災害では新潟県など十九道府県、八月下旬の災害では福島、栃木、茨城県など二十二都道府県)、建設および新築・中古購入の場合、住宅に五割以上の被害を受けた方、補修の場合は住宅に十万円以上の被害を受けた方は、以下の条件で災害復興住宅資金の融資を受けることができます。
 限度額は建設の場合、木造で千百万円。補修の場合、木造で五百九十万円。
 また、新たに宅地を取得する場合、建設資金の融資と合わせて七百七十万円を限度とする土地取得資金の融資があります。
 また、宅地の被害について整地には三百八十万円を限度とする整地資金の融資があります。
 利率は年一・九%。
 申し込みは住宅金融公庫か公庫委託の金融機関へ。
 り災証明が必要。




 危険な擁壁などの修復資金への貸付


 災害防止のため改善勧告を受けている場合、危険個所の修復などのために住宅金融公庫の宅地防災資金を借りることができます。
 限度額は工事に必要とする費用の九割もしくは千三十万円のいずれか低い方の金額。年利は二・八五%で償還期間は十五年以内。




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