Windowsの必要メモリ量について考える

Windowsってメモリが何メガバイトあれば高速なの?

1998年4月29日


よく言われるのがメモリを増やせば速度が速くなるということです。では、なぜメモリを増やすと速度が速くなるのでしょうか?パソコンの性能を決めるのはCPUのはずではなかったでしょうか?そんな疑問を持ったメモリ初心者の方への参考になれば幸いです。

さて本題ですが、この疑問の答えを出すにはまずWindowsのメモリ管理について知る必要があります。

 

MS-DOSからWindowsへ

そもそもMS-DOSではメインメモリが640KBしかありませんでした。しかも実質使用できるのは、がんばっても600KB余りでしょう。ところがWindowsになってからこの状況は一変しました。Windowsではメモリを足したら足した分だけ有効に使われるようになったのです。しかも仮想記憶(Windowsではこれをスワップと呼んでいる)という方式を利用することで、物理的に存在するメモリ量以上のアプリケーションを動かせるようになりました。しかし、それが後々大きな問題を生みました。

 

仮想記憶のメリットとデメリット

仮想記憶方式を備えたWindowsはマルチタスク機能とあいまって複数のアプリケーションを使用するのに非常に有利です。アプリケーションを複数起動すれば当然メモリも多く消費してしまいます。メモリが多い方が当然メモリ不足にならず安心してアプリケーションが使用できます。そこで実メモリ量を気にしなくて済む仮想記憶が威力を発揮します。そもそも仮想記憶はハードディスクをメモリの一部として使用することで実メモリを超えるメモリを利用するものですので、ハードディスクが大きければそれだけメモリとして利用できる空間も大きいということになりいいことずくめのはずでした。

ところが、ハードディスクをメモリとして利用することが重要な問題を引き起こしてしまったのです。それは速度の大幅な低下でした。なぜ速度が低下するのでしょうか?答は簡単です。ハードディスクはメモリに比べて速度が遅いからです。

ハードディスクは十数ミリ秒というアクセスタイムであるのに対して、メモリは60〜70ナノ秒というアクセスタイムです。ここで単位のことを考えると、秒→ミリ秒→マイクロ秒→ナノ秒→ピコ秒という順番ですから千倍や二千倍ではきかないことがわかるでしょう。つまり、多くのメモリを利用できるようにした代わりに速度を犠牲にしてしまったということです。

そこで、速度を上げるには実メモリを増やして、仮想記憶を利用させないようにすればよいということになります。そしてメモリを増設すれば速度が上がるということになるのです。仮想記憶はメモリがまだ高価だった時代に何とかして大きなプログラムを動かそうとした、苦肉の策ともいえるのです。しかし、ここ1年ぐらいで大幅にメモリが値下がり(値崩れか?)しましたのでパソコンに積めるだけ積むというのもまんざら夢物語ではなくなってしまいました。(私は1995年のクリスマス商戦にのっかって16MBのメモリを購入しましたが、そのときの価格は7万円という値段でした。その当時としては安い方でした。でも今なら5,000円ぐらいですよね。はあ…)

 

メモリの必要量

メモリ増設によるスピードアップの原理について触れてきましたが、本題である必要量とはどういったものでしょうか。いろいろなことがいわれています。ビジネスなら16MBで十分だとかグラフィックをやるなら64MBは最低必要だとか。これらはある意味正しいのですが、いまいち説得力に欠けるものがあります。簡単にいうと、ユーザーがどこで妥協するかということだと思えばよいでしょう。

確かに、Windows95の最低必要メモリは8MBで、Windows95が動くということだけを保証するならこれでも問題はないでしょう。さらに、アプリケーションを利用するとなると、あと8MBは必要になります。つまり16MBということになりますね。Windowsが最低8MBを要求するのですから、アプリケーションを動かすための空きを作るにはこれぐらいは必要でしょう。しかしこれも必要最低限のメモリ量です。アプリケーションが動くことだけしか保証できません。スピードなんてとんでもありません。ここが一つの妥協点となります。

速度を犠牲にして、経済性を重視する。

ということになります。ここらかもう一つレベルを上げると、24MBのメモリを搭載するということになります。じつはWindowsは、瞬間最大20MBぐらいのメモリを消費し、平均でも16MBは消費しているのでこの24MBというのはWindowsが快適に動作するということを実現できる容量なのです。Windowsが快適に動くので、アプリケーションもそこそこ動くようになります。「快適」という言葉もこの辺りからちらほらでてきます。

速度も経済性もそこそこ

ということになります。さらにレベルを上げると、32MBということになります。ここまで来るとすべてが快適に動作しだします。Windowsにとってもアプリケーションにとっても快適に動作するだけのメモリを確保できるようになります。また、複数のアプリケーションの起動にもある程度耐えるようになります。スワップもある程度抑えられます。

快適動作だが、経済性はやや低下

ということになります。さらにレベルを上げると、48MBになります。先ほどからさらに快適さが増します。スワップもかなり抑えられて、なおかつディスクキャッシュ(ディスクのスピードを上げるために一度読み込んだデータをメモリに蓄え、再度同じものを読む場合はメモリの方を読むようにするシステム)が十分に効き始めるので、申し分ない動作が望めます。

さらに快適動作も経済性はかなりダウン

ということになります。さらにもう一つレベルを上げると、64MBという容量になります。一部にあるような異常なほどメモリを消費するアプリケーションなども快適に動作し、個人レベルでは最強と呼べるでしょう。もはや心配などなにもありません。海のように広く感じるので何のストレスもなく使えるようになり、かえって物足りなくなるぐらいでしょう。

もはや最強レベル、しかし経済性は大幅ダウン

ということになります。スピードという点ではこれ以上メモリを増設しても効果はありません。速度を低下させる原因のハードディスクへのスワップもなにもありませんから。

大まかに上記のようにレベル分けしてみましたが、いかがでしょうか?懐具合と必要度にあわせてレベルを考えて下さい。また、使用するアプリケーションによっても変わりますからその辺も考えながらメモリを増設することになります。私の場合96MBのメモリを搭載していますが、使用するアプリケーションが多岐にわたっておりますので、致し方ない面もあります。また、PC-9800ひろばを主催している以上アップグレードも最強レベルを目指す義務があるような気がするのです。

さらに、「MagnaRAM97」というメモリを節約倍増させるツールも併せると効果的です。

(上記で述べてきた内容はInternet Explorer4.0をインストールしていない状態を仮定していますので、インストールしている場合は各レベルで16MB以上は余計にみる必要があるでしょう。)


みなさんはメモリに対してどのようにお考えでしょうか?よろしければメールをお送り下さい。

 

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