直線上に配置

職員室から

副園長 釜土蘭子


 卒業式直前だというのに、いえ直前だからこそ、「ドッチボールやりたい!」といってくるAぐみさん。
 激しいボールのやりとりがあり、勝負が決まると大歓声と悔しそうな声が交差します。終わった後は、汗がたっぷり。お茶を飲みに走ってきます。

 そんなみんなを見ながら、蘭子先生は思います。


 いったいいつから君たちはこんなにすばやく動けるようになったんだい?
 いったいいつから片手でボールを投げられるようになったんだい?


 入園した頃は小さかった君たち。
 身の回りの事だって、自分一人ではできなかったね。

 いったいいつから靴がササッとはけるようになったんだろう?
 いったいいつから一人でトイレにいけるようになったんだろう?
 いったいいつから一人で着替えることができるようになったんだろう?
 いったいいつから、一人で食事ができるようになったんだろう?


 初めてのことばかりの毎日。「できない」と泣きじゃくった事もよくあったね。

 いったいいつからそんなに折り紙が好きになったのかな?
 いったいいつから、はさみできれいな○を切ることができるようになったのだろう?
 いったいいつからプールの中で泳ぐことができるようになったんだろう?
 いったいいつからお友達と心をあわせて合奏ができるようになったのだろう?

 
 自分の気持ちを抑えられず、思い通りにいかなかったら、泣いていたね。

 いったいいつから順番に並ぶことができるようになったのだろう?
 いったいいつから、けんかしても仲直りすることができるようになったのだろう?
 いったいいつからお友達の気持ちを考えることができるようになったのだろう?
 いったいいつから自分より弱い人に優しくすることが自然にできるようになったんだろう。

 
 当たり前のことが当たり前にできるようになった、君たち。
 だから幼稚園教育修了証書をお渡しします。

卒業、おめでとう。

 愛されていることを知り
  愛する者となるために。
(2012年3月16日 七尾幼稚園 園だより)

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