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馳浩の快刀乱筆
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自自公の連立政権協議が難航している。「衆議院議員比例定数50名削減」するかしないか、でもめている。自自の党首会談で約束したんだから、これからも連立維持をするために実行しろ!と迫る小沢党首。
公明党は比例定数削減反対。強引に自自の約束だけを楯(たて)に実行するなら公明党は連立に入らないかもしれない、と脅す神崎党首。
間に立って右往左往する自民党。
まさしく愛の政略結婚のひずみと言えよう。
源氏物語を引用すれば、自自公は光源氏、六条御息所、夕顔にたとえられようか。
衆参両議院で過半数の議席を得て、安定多数の下で国政を運営すべく、常に連立のパートナーをさがし歩いているのが自民党の小渕首相。愛の遍歴をくり返す光源氏と見立てられよう。
自由党の小沢党首は元々自民党の幹事長をつとめたほどの実力者。光源氏とは遠縁にあたり、前皇太子未亡人として社会的地位も高い六条御息所と見立ててみよう。
そして公明党の神崎代表は、若き愛人、都合のいい女として登場する夕顔の君。
光源氏をめぐるこの三角関係は、六条御息所の生霊がしっとの故に夕顔の君にとりついて殺してしまう結末になる。愛する光源氏ではなく、光源氏の心を奪ってしまった若き愛人にしっとして、攻撃の矛先を夕顔の君に向けてしまうところが多くの女性読者の共感を呼んでいる。
ここで小沢党首の本心を考えてみたい。自民党の心を奪ってしまった公明党が「飲めない」と公言している比例定数削減を持ち出していることを考えれば、答えは明らかだ。「自民党とはこちらが先に結婚したんだ。後からやって来ていいとこどりするな」という本心の裏返しで公明党いじめ。ひいては自民党の心を取り戻そうと画策しているのは明らか。
源氏物語では、六条御息所の妄執は終生光源氏につきまとう。さて、小沢党首は公明党に生霊としてとりついてどこまで自民党を苦しめてしまうのだろうか?
エッセイスト・小矢部市出身
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