最終回 馳浩の永田町一筆勝負55
新世代で切り開く! 日韓関係
平成10年5月2日掲載


 皆さんはどこに出掛けますか?ゴールデンウイーク。都内はすっかり車の数も減ってしまい、メーデーの会場以外は閑散としている。

 私はといえば、5月1日は東京ドームでプロレスの試合(観戦じゃありませんよ。試合出場です。おそらく本紙(デイリースポーツ)のどこかのページに私の試合結果と、宮本記者の書いた観戦記事が載っているでしょうから)。

 5月2、3日は、赤坂プリンスホテルを会場にして行われる、自由民主党青年局女性局全国研修会に参加。5年ぶりの全国研修会には全国からおよそ1000人の党員が参加するため、私も党本部の役員として運営に参加。

 そしてメーンイベントは5月4、5日。(ちなみに5日は私の37歳の誕生日)自民党若手議員有志5人で韓国に行き、韓国の若手国会議員4人とプライベートで会談をしてくる。

 目的は、次世代の国会議員同士の人間関係を築くことによって、数多い両国間の政治的課題を解決していくための一助にしようというもの。日本側参加者は、衆議院から河野太郎、石崎岳、大村秀草。参議院からは山本一太、馳浩。韓国側参加者は、金翔宇(キム・サンウ、43歳)千正培(チョン・ジョンベ、43歳)秋美愛(チュ・ミエ、女性、39歳)金民錫(キム・ミンソク、33歳)。とりわけ33歳の金民錫は1985年に民主化運動に関連して逮捕され、3年間獄中に放り込まれていたという猛者。1996年に初当選し、現在は金大中総裁の特別補佐を務めており、20年後の大統領と呼ばれている人物。

 今回の日韓若手議員交流の仕掛け人は山本一太とこの金民錫。どうしても戦後世代の日韓政治家同士のパイプが細く、とりわけ与党同士で顔なじみがいないということは両国関係にとって不幸だ、という発想に基づく。

 もちろん日韓議員連盟には我々も入会しているのだが、人数が多すぎてお互いの付き合いはややもすれば儀礼的となりがちである。幹部は皆ベテラン議員ばかりで我々30、40代の鼻たれ小僧はお呼びでない。これでは戦後世代の日韓関係は進展しない。それで、小人数同士で、お互いの選挙を訪問し合えるほどの人脈づくりをしよう、ということで、第一回が今回の訪韓になるわけである。折しも金大中大統領は戦前の日本の植民地政策に対する反日意識ばかりでなく、戦後の日本の姿勢を見直し、次代に向けての新しい日韓関係を再構築して行こうと宣言したばかり。

 ソウルの屋台で「真露」でも酌み交わしながら、あるいは石焼きビビンバに舌鼓を打ちながら、大いに談論風発。語り明かしてきたい。
 さて、皆さんはどんな思い出をつくられますか?     
=終わり=

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