第百四十五回  国会

参議院行政監視委員会会議録第五号

平成11年5月17日(月曜日)午後1時1分開会

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○続訓弘委員長

 ただいまから行政監視委員会を開会いたします。

 行政監視、行政監察及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。

 本日は、政府開発援助等に関する件について、前回に引き続いて質疑を行うことといたします。

 質疑のある方は順次御発言願います。

 

○馳浩行政監視委員

 よろしくお願いいたします。自由民主党の馳です。

 私が3月29日の質疑でODAは本当に国民に理解をされているのかという質問を申し上げましたところ、大島局長より、毎年の世論調査によりましておおむねの理解を得ているという御答弁をいただきましたが、4月24日に総理府が発表した世論調査によりますと、残念ながらODA縮小派が前回よりも6.1ポイントふえて計22%になってしまったということであります。そしてその理由については、4分の3の人が日本の経済状況の悪化ということを理由として挙げておられます。

 この数字がだんだん悪くなっていくと取り返しのつかないことになるのではないかと非常に危惧をしておりますが、まずこの件について大島局長のお考えをいただきたいと思います。

 

○大島賢三政府委員(外務省経済協力局長)

 御指摘の世論調査では、確かに前回の調査結果と比較をいたしますと、ODAについて少なくするべきだ、あるいはやめるべきだという、どちらかといいますと消極派、縮小派の割合がふえているという結果が出ております。他方で、肯定派あるいは支持派の数字は依然足しますとはほ7割ということで大変に高い支持を得ておるということでございます。

 今回のこの結果につきましては、長引く国内の不況といった原因が大きくここに働いているんだろうというふうに私ども理解をいたしております。こういう国内的な経済状況、財政状況が大変厳しい折に、貴重な国民の税金を原資といたしまして仕事をしておるこういった海外援助につきましては、大変に私どもも心すべき厳しい状況であるというふうに認識をいたしております。

 それに対します対応としては、たまたまこの時期はアジア経済危機を中心としまして開発途上地域の状況も大変に厳しいものがございます。一方で、我が国も大変に難しい状況に置かれているということでございますので引き続き努力は必要だろうというふうに私ども確信をいたしておりますが、同時にやはりODA全体の効率化あるいは質の改善といったようなことにつきましては従前以上に厳しくこの点を政府全体として努力していく必要があるというふうに考えておりまして、そういう線でこれからも努力を重ねていきたいと思っております。

 

○馳浩行政監視委員

 より一層外務省としても国民の理解を得るための努力を続けていっていただきたいのでありますが、一応聞いておきたいのは、現在どの程度の、あるいはどのような国民の理解を得るための施策を外務省としてとっておられるのかということをお伝えいただきたいと思います。

 

○大島賢三政府委員(外務省経済協力局長)

 何よりも、国民の皆様方の幅広い御理解、支持を得ていくためには、やはりどういう仕事がODAということで行われているかをできるだけよく御理解いただくということが必要であるわけでございます。

 このために、従来から白書とか年次報告を出しておりますけれども、そういったものに加えまして、一般国民の皆様方にこうしたODAの活動がより身近に感じられるように、東京都では広尾に国際協カプラザというのが従来開設されております。これもいろいろ充実をしてきておりまして、修学旅行生がここにも立ち寄るというような活用のされ方もなされておるわけでございますけれども、こういったものをさらに充実させていく、あるいは、インターネットで外務省のホームページを活用しておりますけれども、そこにODAのいろいろな最新の情報とか国民の皆様方に御関心のありそうな情報も載せるように努めております。さらに、ODA広報のテレビ番組、それから毎年10月、国際協力の日に合わせましてフェスティバル等を東京を初め全国各地でやっております。こうした広報あるいは情報公開の努力をしております。

 さらに、今年度、平成11年度からはODA事業の公募モニター制度というものが予算をお認めいただきまして可能になりました。これによりまして各県から、予算上は一人ということでございますけれども、公募によりまして市民の皆様に御参加をいただいて、海外の援助活動を見ていただくだけではなくて、実際にできれば評価のようなこともやっていただきたいと思っております。

 いろいろなそういう活動を通じまして広報、情報公開に努めていきたいと思っております。

 

〇馳浩行政監視委員

 感想でありますけれども、私も時々外務省のホームページを参考に見させていただきます。ODAに関しては、非常におもしろいなと思いましたが、現地スタッフによります「省員徒然草」というようなページがありまして、外務省といえども非常に文学的素養のある方が多いんだなと私は思いました。まさしく現地の若手のスタッフの皆さんの率直な御意見を見ることができて大変いいなと思いました。

 そこで、私としても、できたらということでの提言でありますが、より一層講演活動でこのODAの理解を国民に広めるための活動をふやしていただきたい、その予算づけをしていただきたいと思っております。

 実は先月、4月26日に私の地元の石川県で武見外務政務次官が一日外務省ということで、実際に外務省の仕事であるとか政務次官としての仕事であるとか、あるいはODAとして専門官が途上国に行ってどれだけ支援をしているか、現地の皆さん方に御理解いただいているか、そういう話を行っていただきました。とりわけ、当日はウイークデーではあったんですが、高校生を呼んでいただいて、おおむね200名ほど入ったんですけれども、非常に好評であった、話を直接聞くことができてよく理解できたと。こういう活動を今後より一層行っていただきたいと思いました。

 日本の国民に理解をいただくというのも一つですし、逆に日本から援助を受けている国の方々にどれだけ我が国にとって日本のODAが大変いいものだという感謝の気持ちを持っているか、どれだけ途上国の発展に寄与しているかということをむしろ広報に来ていただくとか、そういう二面性を持って私はもっと国民の理解を得るための広報活動をしていただきたいと思っておりますが、どうですか、今後そういう広報活動で講演活動、外務省の局長はお忙しいから無理かもしれませんが、担当の方々が日本全国に出て講演会活動をどんどんやるというような私なりの提言ではありますが、少しお考えいただけないでしょうか。

 

○大島賢三政府委員(外務省経済協力局長)

 先般の武見政務次官の御出張の件につきましては、そういうことで大変評判がよかったようでございます。そういうふうに私どもも聞いておりますし、次官がお戻りになりまして、こういうチャンスがあれば自分の時間の許す限りどんどん出かけていくから話を持ってきてほしい、こういう御指示もいただいておりまして、大変に心強く感じておる次第でございます。

 私どもがやっておりますものとしては、常日ごろ外務省職員あるいは直接実施機関で一番援助の現場に近いところにおりますJICAの職員、あるいは帰国をいたしました青年海外協力隊の隊員、こういった方々、あるいは技術協力プロジェクトで直接2年あるいは長期にわたりまして海外で技術指導に当たって帰国された技術協力専門家の方々、こういったいろいろな経験者の方々が結構いろいろな機会に講演会等に招かれまして話をする機会がございます。平成10年度だけで協力隊OBの学校等におきます講演会、交流会等が私どもが把握しておる限りで71回全国であったそうでございます。そういった活動が一方でございます。

 さらに、外国から技術協力の研修員ということで日本に来ております被援助国の研修員が地域の学校に参りまして、そして交流会をしたりあるいは講演会のようなことをやることもいろいろ企画をされております。

 こういうことで、実際に事業に携わっている人たちが機会をとらえまして講演会その他の活動に参加していくことによってより身近に一般の市民、国民の皆様方との接点になるようにやることは大変に意義深いと思っておりますので、こういうこともこれからますます取り組んでいきたいと思っております。

 

○馳浩行政監視委員

 国民への理解という点で、一つは子供たちに対するODA政策についての理解を求めるという点があると思います。教育現場では、全国500の中学校に外務省がビデオを作成して、そしてそれを活用していただいてODA理解を求める教育をしておられるということを承っております。大変好評を博しておるようで、さらに教材用のビデオをつくっていただけないかという要望もあると承っておりますが、大変喜ばしいことであると私は思います。

 まさしく次代を担う中学生やあるいは高校生に本当にビデオ等を通じてそういう実態を理解していただくというのは必要だと思いますが、今後外務省としてこの政策の拡充といったものをどの程度考えておられるか、お聞きしたいと思います。

 

○大島賢三政府委員(外務省経済協力局長)  

 まさにビデオがそういう意味で視覚に訴える一番好ましい材料であるわけでございます。従来から小中学校あるいは高等学校のこういった開発教育あるいは国際教育に関心を持っておられる先生方から何かいい材料がありませんかといったようなたくさんの御照会を得ております。JICAもそうでございます。外務省にもそういう話が来ます。

 そこで、以前からそういう意味で適切なビデオ教材のようなものがあればいいということであったわけでございますが、このたびそれを完成いたしまして、昨年でございますけれども、中学校をとりあえず対象にいたしましたビデオと教師の指導用の冊子をつくりまして、これをODAに関します開発教育の教材ということで全国3000の中学校に配布させていただきました。その上でこの活用状況と反響の調査を行いました。

 その結果、少なくとも先生方につきましては、これが国際協力理解の学習教材として極めて有効であるということで、95%の先生方がこれを非常に肯定的に受けとめておられると私ども大変に勇気づけられているところでございます。

 さらに、これも昨年でございますが、特にバングラデシュのポリオ撲滅計画というプロジェクトをやっておりますけれども、このポリオ撲滅計画を対象にいたしましたビデオをつくりまして、これは社会科の副教材ということで全国の中学校500校に配布をさせていただいておるわけでございます。

 こういうことで、一方で強い御要望が現場にあります。そして、援助の現場には大変にうまく制作すればいい教材となり得る材料がごろごろしておりますので、認められた予算はわずかでございますけれども、こういったものをできるだけうまく制作いたしまして学校あるいはさらに図書館等にもできれば広く配布をしていきたいと思っております。

 

○馳浩行政監視委員

 関連いたしまして、ODAについての教科書への記述について、平成9年3月の総務庁の行政監察報告によりますと、中学校、高等学校の教科書の記述がODAの正確な実態を反映していないというふうに指摘をしております。

 その部分を読ませていただくと、2点ございまして、

 政府開発援助のうち、国際連合等の国際機関に対する拠出等の図中、各省庁の拠出等のすべてが基金を通じて行われているようになっている図や我が国の政府開発援助全体の地域別・分野別の構成比率を円借款の比率と取り違えている表、

2点目として、

 我が国政府開発援助全体の調達条件としては調達先を限定しない一般アンタイドが平成5年で約84%、その大半を占める円借款も、前述のとおり、一般アンタイド条件によるものがほとんどで、タイド条件によるものは皆無となっており、また、円借款案件における本邦企業の受注率は大幅に低下し、3割を下回っているにもかかわらず、「日本の企業が政府援助金を利用して行うという形の民間企業主導型である」や、「外国のプロジェクトにかかる日本企業への融資という形の商業ペースのODAが多い」という記述等、明らかな誤記や、過去の実態や批判のみに基づき、近年の動向を必ずしも勘案していないとみられる記述がある。

ということで指摘をされております。

 これは平成9年の行政監察でありますので、その後外務省としてどのような情報を文部省に提供されたのか、あるいは文部省としてはそれを受けてどのように改訂をなされたのか、外務省と文部省に伺いたいと思います。

 

○大島賢三政府委員(外務省経済協力局長)

 教科書、特に中学校、それから高等学校で使用されております教科書の記述に、今、先生から御指摘ございましたように、事実関係がかなり間違っておるもの、それから、ODAにつきましては幾つか市販の本なんかも出されておりますけれども、ややバランスを欠いた内容のものも幾つか見られるわけでございます。こういったものがとかくどうも教科書に反映をされてバランスを欠いているのではないかという危惧の念がございまして、平成9年の総務庁の主としては円借款を対象としました行政監察でございましたけれども、その報告の中にそういう実態が指摘をされておりました。

 これを受けまして、外務省としましても常日ごろから、先ほど申し上げましたように、開発教育に関心を持っておられる先生方とJICA、外務省が中心になりまして意見交換等もやっておりますけれども、やはりそういうことだけでは足りないということで、行政監察報告もありましたので、援助についての誤解をできるだけ解いてもらう、できるだけ学生、国民一般により正しい、よりバランスのとれた見方が伝わるということで理解をしていただくために教科書の執筆者に対しましてODA白書を送付いたしまして、また各地での開発教育セミナーを開いたり、あるいは教材とか資料、広報ビデオの送付などを行いまして、教科書の執筆に当たられる方々、それから教師、学生、児童等への情報提供に努めているところであります。

 この結果、11年度より使用される高校用の教科書では、行政監察で指摘をされておりましたような誤った記述は明らかに減ってきておるということが私どもの調べた限りで判明をいたしておりまして、こういった努力が報われているなというふうに感じておるところでございます。

 これからもこの点につきましてはできるだけ正確な記述がなされるように引き続き努力をしていきたいと思っております。

 

○辻村哲夫政府委員(文部省初等中等教育局長)

 ただいま外務省の方から御答弁があったわけでございますけれども、先生御指摘の平成9年3月の勧告につきましては、教科書にそのような記述があったということで、私ども検定を預かる立場といたしましては大変申しわけないことだと思っております。

 その件につきましては直ちに教科書発行者から成ります社団法人教科書協会を通しまして勧告の趣旨あるいは具体的な指摘事項を周知いたしました。その結果、先ほど答弁がございましたように、現在使われておる教科書につきましては勧告を受けまして訂正が図られてございまして、そのような記述はなくなっているところでございます。

 ただ、こうした問題はこれからもずっと生じ得る問題であろうと思います。教科書は、御案内のとおり、発行者によります執筆の段階、それから私ども検定をする段階、この二つでよりよい教科書をつくるという努力をしていかなければならないと思いますが、それぞれの段階におきまして、外務省等々の御協力をいただきながら、正確、適切な、豊富な資料を検定の段階でも十分に持って、それから執筆者におきましてもそうしたものを持ってより適切な教科書づくりに従事する、努力する、こういうことだろうと思っております。

 今回の総務庁からの勧告を受けたということを教訓にいたしまして、発行者ともどもによりよい教科書づくりに努めてまいりたい、こんなふうに思っております。

 

○馳浩行政監視委員

 子供たちの国際理解に対する根本的な考え方をゆがめるような教科書の記述にならないように外務省の方もいち早く情報公開に基づいて十分な資料を提供し、それに基づいて文部省の方も最終的な検定の方をまさしく誤記のないようにしっかりと対応していただきたいと思います。

 続きまして、前回もこの委員会で大変問題になりましたいわゆるインドネシアのリベート問題について、前回の委員会以来どのような進展があったのか、政府としてどのように対応をなされたのか、恐らく関係機関に対するヒアリングがなされ、あるいはそれに基づいて法的な措置を講じるのかどうかといった問題も含めまして外務省としてどういう対応をとったのか、お伝えいただきたいと思います。

 

○大島賢三政府委員(外務省経済協力局長)

 インドネシアに対しますいわゆるリベート問題につきましては、前回の委員会の場でいろいろ御指摘を受けまして、あの時点で判明をいたしておりました事実関係、それから外務省がとっておりました措置について御報告をしたわけでございますけれども、外務省の方で突っ込みが足らないのではないかといった厳しい御指摘も受けました。私どもも、そういったつもりはもちろんないわけでございますが、しかしそういうふうにもしとられているとすればこれはやはり重大に受けとめるべきことでございますので反省もいたしまして、そういうことを踏まえまして前回の委員会以降政府として新たにとりました措置につきまして数点御報告をさせていただきたいと思います。

 まず、外務省の方で新聞報道に出ました五杜につきまして個別に招致をいたしました。直接報じられている事実関係についてヒアリングを実施いたしました。その結果、いずれの企業につきましても報道にありましたようなODA事業にかかわるリベート提供の事実ははっきり否定をいたしておりました。本件についてはやましいところは一切ない、報道には反論したい気持ちもあるけれどもこれ以上大騒ぎを引き起こすことも本意ではないので法的措置まではとることはしないといったような発言も一部からはございました。

 第二点でございますが、次に外務省、通産省、経済企画庁の三省庁によりまして、ODAの関連の事業に日ごろ関与しておる企業等約80社を集めまして、ODA事業におきますいわゆる不正防止に関する説明会を開催いたしました。ここで不正防止にかかわる政府の取り組み一般、それからOECDの国際商取引における外国公務員に対する贈賄防止条約、それからその条約に基づきます不正競争防止法、それからOECF調達ガイドライン、こういった事項につきまして改めましてきちんと説明をいたし注意喚起をいたしまして、ODA事業の厳正な実施につき理解と協力を求めました。

 第三点目、インドネシア政府に対しましては、インドネシア政府の方で別途事実関係の調査を行っておるわけでございまして、その進捗状況について照会を行いました。これに対しましてインドネシア政府の方からは大臣クラスをヘッドとする調査チームを部内に設置して鋭意調査中であるということ、それから今のところ特に日本側にお伝えするような情報はないけれども今後何らかの情報があれば速やかに連絡をしたいという回答を得ております。

 それから四番目に、インドネシア政府の方からはかねて日本側から情報提供の依頼がございます。これにつきましては、我が国の法令等に基づきまして、協力可能な範囲で答えるということをインドネシア政府側に伝えてあります。我が方が有しております関係のデータとか事実関係、企業から聞き取りましたヒアリングの結果等も含めまして資料を提出する予定でございます。

 それから第五番目に、今後万が一業者側の方で不適正な調達事件等が発生をし、その事実が立証されたような場合には海外経済協力基金、OECFが直接当該業者に対しまして入札への参加の停止等を含む厳しい制裁を科す、そういうことが可能になるようにOECFの調達ガイドラインを改定することにいたしました。従来、調達ガイドラインにはこれに違反した場合のいわゆる制裁的な措直というのはあえて書いておりませんでしたけれども、やはりその予防的な意味、抑止的な意味を付与する意味でこのOECFの調達ガイドラインの改定を行うことにしました。

 それから第六番目、最後でございますけれども、ODA事業におきます不正防止をさらに徹底させるために、我が国がODAを供与しております主たる相手国に対しましてかねてから外交ルートを通じまして我が国の不正防止のための取り組みについては説明をいたしております。既にODCDの贈賄防止条約についても説明をしてありますし、それから国内の不正競争防止法の成立の事実もあわせましてきちんと説明をしてあります。

 今般、先ほど申し上げましたように、OECFの調達ガイドラインを改定することになりましたのでこの点もあわせ、さらに全体の不正防止の取り組みについて改めて外交ルートを通じまして説明をして趣旨を徹底してまいりたいと思っております。

 以上が、六点申し上げましたけれども、前回の委員会で御指摘をいただいたことを受けまして外務省を中心にとったことでございます。この問題につきましては、まだ事実関係も明らかになっておりません部分もありますし、インドネシア政府も調査を進めております。我々としても、引き続き調査をするわけでございまして、いずれにしましても事業の適正、効果的な実施を確保していくということ、特に今のODAに対します見方というものが厳しくなっている、こういう時期でもございますし、厳粛に私どもも受けとめて不断の努力を行ってまいりたいと思っております。本委員会にも事実が生じました場合には改めて御報告をさせていただきたいと思いますし、御指導もよろしくお願いをいたしたいと思います。

 以上でございます。

 

○馳浩行政監視委員

 この問題は私は前回質問したわけではないので概略的な話だけをお聞きしておくということにとどめておきたいと思いますが、今後調達のプロセスにおいて明らかに違反するような行為があった場合にはその時点でその案件をストップするとか、それだけの効力を持つような立法措置についても検討していかれなければいけないんじゃないか、それぐらい強い姿勢を外務省としてもとらなければ、注意喚起を促すとか、実態を聞いてそういう問題はありませんでしたと言われて、はいそうですかと言っているような今回の対応では生ぬるいのではないか、もしかしたらそれはODAを監視する我々国会議員としての立法措置ということも考えて厳しく臨んでいかなければいけないのではないかという感想を持っております。この問題についてはまた恐らく同僚議員から厳しく追及があると思いますから、その議論に送りたいと思います。

 次の質問に移ります。

 大変国際的な問題になっておりますコソポ問題であります。日本としても政府が2億ドルのコソポ貢献策を決定いたしましたが、まずこの具体的な内容をお伺いしたいと思います。特に、難民等に対する支援、日本としての貢献の一番顔の見える、かつ迅速に対処しなければいけない問題ではないかと思っておりますので、この経緯であるとか中身についてお伺いしたいと思います。

 

○大島賢三政府委員(外務省経済協力局長)

 コソポの問題に関連しましては、難民流出だけで70万人を超える難民がアルバニアとかマケドニア等に既に流出しておって、大変に深刻な問題になっておるわけでございますが、日本政府としてとりました措置は、ただいま委員から御言及がございましたように、4月27日の時点で総額で約2億ドルの支援策を発表いたしております。ポイントは4つぐらいあろうかと思っております。

 第一に、難民そのものに対します支援としては国連難民高等弁務官事務所等の国際機関が中心になって当たっておりますので、これら国際機関に対する拠出としまして約4000万ドルでございます。このほかに毛布、スリーピングバッグ等も別途国連難民高等弁務官事務所に供与いたしております。

 第二に、大量の難民を受け入れております周辺国、なかんずくアルバニアとマケドニアでございますけれども、この両国の難民受け入れに伴う負担が大変に過重になっております。もともと余り豊かではない国ということで、今後二年間を念頭にこの両国に対しまして約6000万ドルの無償の資金協力を実施していく計画でございます。具体的には、食糧援助とかその他適切な支援をやっていきたいと思っております。加えまして、この両国に対しましては本邦から医療の専門家を派遣する、既に2名が4月の末からマケドニアに入って おりますが、こういった専門家派遣、あるいは医療の関連機材の供与、その他の支援要員を派遣するつもりでおります。

 それから第三番目に、コソポの問題につきまして和平合意が達成されるとその暁には復旧と難民の帰還が大きな問題になるわけでございまして、このために今後約1億ドルを拠出する。これは別途、日本政府が国連に人間の安全保障基金というのを設けておりますけれども、この基金等を通じまして和平合意後の問題が解決され和平が達成された後の支援に充てる。

 それから、最後でございますけれども、官民一体となって取り組むために、本邦のNGOが現地で活動をしておられますが,こうしたNGOの方々の支援活動を側面的に支援するために一部ODAによりまして資金協力を行うような手だてをとっております。

 以上でございます。

 

○馳浩行政監視委員 

 実は、日本・アルバニア協会という民間の団体がありまして、私はそこの顧問を務めております。この事務局が金沢にありまして、その事務局長を務めておる者がAMDAの支援員の一員として4月末にアルバニアに渡りまして、私の方にも現地の状況をインターネットを通じて送ってくるということになっておりますが、まだ一回も送ってきていないので当人の安否を非常に心配しておるようなところであります。

 そういった形で民間の支援といったことも活用しながら日本政府として、このNATOの空爆を一刻も早く私もやめていただきたいんですが、そういった問題も含めてまずこの難民対策といったものについて外務省としても取り組んでいただきたい、むしろ難民対策に対して日本が積極的に貢献するといった姿を私は世界に見せていただきたいと思うんです。どうでしょう、この難民対策について私はより一層の、お金もそうでありますが、日本国内からの人的な貢献といったものを検討いただきたいと思っているんですが,どのように局長は考えておられるか、現状も踏まえながらちょっと感想を聞かせていただきたいと思います。

 

○大島賢三政府委員(外務省経済協力局長)

 難民の支援につきましては、一番中心的な役割はやはり国際機関、緒方貞子さんのUNHCRを初め世界食糧計画、ユニセフ等々たくさんの国際機関が現地でそれぞれの責任担当に応じまして大変に積極果敢な活動をしております。先般、高村外務大臣もマケドニアの首都スコピエの郊外にあります難民キャンプに赴かれまして、その実情をつぶさに御視察になりました。私自身も同行させていただきまして、コソポの国境からそれはど遠くないところにありますキャンプの実情を見ました。

 難民支援に対します我が国の支援は、第一には国際機関に対してしっかりした資金協力をするということでございまして、国連難民高等弁務官事務所に対します拠出は、今まで日本の拠出額は約2300万ドルになっておりまして、これは各国ともUNHCRに拠出いたしておりますけれども、日本が断トツでございます。二番目は今の私のところにあります数字ではアメリカが850万ドル程度、日本が2300万ドル強ということでございまして、こういった面ではしっかりした協力ができているんだろうと思います。

 第二番目は、現地におきますいろいろな具体的な活動でございますが、これは欧米のNGO等が相当たくさん来ておりまして、テントや機材を持ち込んだり、診療車等々を持ち込んでいろいろ活発に活動いたしております。その中で我が国も、地理的には大変離れておりますけれども、先ほど申しましたように、幾つかのNGOの方々が実際に現地に入って活動をされております。確かに、欧米のNGOの活動と比べますと日本のNGOの活動の規模というのは人数も少のうございますけれども、しかしそれでも大変に立派ないい活動をされておると思います。

 これからまだ難民問題はさらに悪化することはあり得ても、和平合意が早急に達しませんとなかなか難しいんだろうと思います。悪くなることはあってもすぐ改善するという見込みはないと。これからだんだん、冬の問題が既に心配され始めておりますけれども、我が国としましても、この難民を中心とした支援は今のユーゴ問題等における日本の協力策としてはやはり中心になるべき問題であろうというふうに考えておりまして、引き続き状況に応じて適切に対応していく考えでおります。

 

○馳浩行政監視委員

 最後になりますが、国境で隣壊する国同士の民族問題というのは、残念ながら四方を海に囲まれている我が日本国としては国民になぜこういう民族問題がここまでの軍事的な問題に発展するのかということはなかなか理解されないところだと思うんです。ではありますが、一日も早くコソポ自治州において、いわゆる民族浄化に名をかりた大量虐殺と言われておりますけれども実態がわかりませんが、アルバニア人に対する迫害であったり、あるいは現在難民が70万、80万と言われておりますが、それらの難民が一日も早くもとの生活に戻ることができるように日本としてできる限りの支援をするに惜しまないという姿勢を見せ続けることは日本の外交上の戦略としても国際社会において必要な論点だと思っておりますので、今後とも外交上の、そして政治的な合意に向けて日本としての取り組みを一層強化していただきたいと要望を申し上げまして、残余の質問は私また機会がありましたらさせていただきますので、この辺で質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

   


 

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