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(98年 12月 3日 「新婦人しんぶん」)



「少人数学級」は世界の常識


シンポジウムいま、なぜ「30人学級」か



 十一月二十一日、新日 本婦人の会も参加してい る子どもと教育・文化を 守る国民会議とDCl日 本支部、日本子どもを守 る会の三団体の呼びかけ で、シンポジウム「いま、 なぜ『三十人学級』か」 (明大駿河台キャンパス) が開かれました。

 六年間四十人のクラス を受け持っていたが、今 年二十八人になって「三 十人学級」のよさを実感 しているという現場の教 師東京・江東区の中村美 智子さんからの発言につ づいて、「三十人学級」 をめざす運動 の震源地の一 つ佐賀県北波 多村から参加 したPTA会 長の山口勝弘 さんは、過疎 化の町の小学 校で、学級数 が減ること で、それまで 配置されてい た担任外の先 生まで減らさ れる危機感か ら、「村費の 先生を」の村 をあげての運 動で成功、全 県の運動にひ きつがれた経 過を語り、「昨 年は佐賀県で 十九万署名を 集めたが、県 議会で否決。来年四月は 地方選挙。今度″うん″ といわなければ・・・・の気迫 でとりくんでいる」と。

 千葉大学の三輪定宣教 授はこう語りました。

 「今年十月、ユネスコ が発表した二十一世紀の 大学像を論じた文書に も、『教育は二十一世紀 の世界の最優先事項』と 明確にうちだし、WHO (世界保健機構)も、七 〇年代から、学校規模に 強い関心を持ち、学校規 模はできるだけ小さく、 大きければ規則、管理な ど非教育的関係が強化さ れ、教育の本質が破壊さ れるとのべている。クリ ントン大統領が、今年一 月の一般教書演説で、教 育最優先を掲げ、教師十 万人を採用して、低学年 を十八人学級にといった のは、単に思いつきでも なく、イギリスでも労働 党政権の成立で、「最優 先課題は教育」の流れを つくりだしている。フラ ンスでも、学級規模改善 で高校生が数十方規模の デモをしたあと文部大臣 は高校生とのトップ交渉 に応じている。いまだに 目が覚めないのが日本。 来年度の概算要求では、 教育予算を今 年の七・五% から六%台に 下げようとし てる。学級規 模について も、大きいこ とがいい、競争 があれば切 磋瑳磨する。 人はもまれて 育つという考 え方がまかり 通っている。 日本は戦前か ら過大学級だ った。それは、 軍事教練的な 発想で、学校 での大集団を 効率的に動か す画一的な教 育がいちばん 手っとり早や かったから。 教育基本法が制定されて 五十年。『三十人学級・ 少人数学級』は教育基本 法のもとでもっとも早く 者手されるべき教育改革 の課題であり、二十一世 紀に生かしていくべき国 際世論への日本人として の歴史的課題、国際的責 務でもある」と。

 新婦人千葉県本部か ら、三十人学級を含む諸 要求で、班から学校訪問 をしている経験が語られ るなど、各地の運動が交 流され、一月中旬に読売 新聞へ「三十人学級」の 意見広告を出すことなど が提起されました。





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