福岡・八幡
民商婦人部
今年も集団申請へ
もうすぐ新学期。ランドセルや机、
学用品などの準備で何かと出費がかさ
む季節です。入学した後も給食費や教
材費などを毎月支払います。文部省の
調査によると公立小学校−年生の年間
の教育費総額は実に三十四万円。義務
教育にもかかわらず、大変な負担です。
民商婦人部は憲法二十六条でうたわれ
ている「義務教育の無償化」を求めて
就学援助の集団申請にとりくみ、制度
の改善や充実を要望しています。
文部省の調査によると、
学校教育費と学校給食費、
学校外活動を合わせた教育
費総額は公立小学校一年生
で三十四万円、公立中学校
の一年生で四十六万五千円
にも上ります。長引く不況
の中で「給食費が払えない」
「就学旅行の積立金が払え
ない」などの声が聞かれる
なかで、これらの負担は中
小業者の家庭にずっしりと
のしかかってきます。
毎年、就学援助の集団申
請にとりくんでいる福岡・
八幡民商婦人部は今年も学
習会を開き、会内に就学援助の活用を呼びかけるとと
もに、北九州市に対して支
給額を引き上げるなど就学
援助制度の内容を充実する
ように要望することにして
います。
昨年度は三十人が申請
し、二十八人が認定されま
した。
三人の子どもを育て
ながら商売に励む森みどり
さん(三八)=製缶=は十年間
にわたって就学援助を申請
し、認定されています。
「夫が民商に入り、私が
婦人部に入部したのは長男
が小学校二年のときです。
以来、就学援助を活用でき
て本当に助かっています。
給食費や教材費、修学旅行
の積立金など、銀行から引
き落とされるお金はバカに
ならない。中学校の制服は
八万円。義務教育は無償な
のに、こんなにお金がかか
るなんておかしい」と話す
森さんは、今年も婦人部の
仲間と一緒に就学援助を申
請します。
息子夫妻と同居している
稲川清子さん(六九)=機械据
え付け=は「お嫁さんと相
談してお孫さんの就学援助
を申請したら」と婦人部の
仲間から何度も声をかけら
れていましたが、「子ども
たちがどんな思いをする
か」と申請に踏み切れずに
いました。しかし不況の中
で売上が激減、三人の子ど
もたちの教育費は大きな負
担となり、家族と相談して
昨年初めて申請し、就学援助が受けられるようになり
ました。「なにも心配する
ことはなかった。もっと早
くに申請すれはよかった」
と瀬川さんは話していま
す。
(八幡・井上通信員)
就学援助制度
小中学校の家庭に補助
学用品費や給食費など
申請は教育委員会に
「義務教育は無償」とし
た憲法二十六条にもとづい
て小・中学生のいる家庭に
学用品費や入学準備金、給
食費、医療費などを補助す
る国の制度。市区町村が実
施するときにその費用の半
分を国が負担します。
しかし政府が就学援助制
度の予算を毎年減らしてい
るため、市区町村では受給
者の所得制限の引き上げや
集団申請を受け付けない、
申請受け付けを学校長に一
本化するなど、窓口を狭め
ており、制度の活用を積極
的に呼びかけ、充実させる
運動が求められています。
(対象者)小・中学生の
いる家庭はだれでも申請で
きます。しか
し受給条件
は、市区町村
が定める所得
制限などによ
って異なりま
す。
(支給項
目)国が補助
を出す項目と
金額は別表の
とおり。自治
体によっては
独自に補助項
目を増やした
り、国の基準
に上乗せをし
て支給してい
るところもありますので、
市区町村に問い合わせを。
(手続き)市区町村の事
務処理の関係で早いところ
で在学生が前年十二月から
三月、新入生が四月などと
時期を決めているところが
多いようですが、学期ごと
に申請を受け付けるところ
もあります。一年を通して
申請を受け付けさせ、年度
途中であっても四月にさか
のほって支給させるように
運動することが大切です。
必要な書類は申請用紙と
前年度分の源泉徴収票や住
民税の申告書の控えなど所
得を証明するもの。申請は
教育委員会に直接申請する
方法と学校を通して申請す
る方法がありますが、民商
婦人部は子どもたちのプラ
イバシーを守るために、市
区町村の教育委員会に直接
申請しています。
(支給方法)教育委員会
が銀行振込みなどで直接、
親に支給する方法と、学校
を通して渡す方法がありま
す。子どもたちに追い目を
感じさせないためにも銀行
振込みにする運動が大事で
す。支給は早いところでも
六月以降です。市区町村に
よってはそれまでの間、入
学準備金の一時立替えや貸
付けなどを実施していると
ころもあります。
就学援助制度のほかにも
公立高校授業料の減免や私
立高校の授業料補助、高校
生から大学生までを対象に
した貸付金制度などもあり
ますので、最寄りの民商に
相談して下さい。