横浜・港区
横浜・港南区生活と健康を守る会は、野庭班の杉浦たまさん(62)の、「地下鉄・上永谷駅に、エレベーターや障害者用トイレをつ<って」との要求をとりあげ、四年前から運動してきました。四月一日、エレベーターと障害者用トイレ、階段中央に手すりがき、会員外からも喜びの声があがっています。
「日曜日に一人で地下鉄に乗って、横浜のデパートで買い物をしてきたの。楽しかった」と話す笠羽美穂さん(14)。脳性マヒで足が不自由なので、電動車いすを使っています。
お母さんの明美さん(43)は中途失明していますが、美穂さんが目になって二人でよく出かけています。
反対の出口にも簡単に行ける
「生活と健康を守る会の高橋静江さんから、上永谷駅にエレベーターができると聞いて、今か今かと待っていました。ついたその日に、美穂と乗りに行ったんですよ」と明美さん。
「今までは駅員さんが数人がかりで、階段昇降機で運んでくれました。みなさんとても親切でしたが、電車に乗るまでに十分ぐらいかかり、いつも一台乗り過ごしていました」 駅は高架式で地上からホームまで十一・五メートル。エレベーターは一階出口から、二階の改札所を結ぶものが一基と、改札を入って二つのホームを結ぶものが二基あります。
明美さんたちはバス乗り場やイトーヨーカ堂のある反対側の出口に行くのに、今までは駅の回りをぐるりとまわっていましたが、エレベーターとスロープで簡単に行けるようになりました。
エレベーターが 娘の自立に役立つ
明美さんは「エレベーターには、点字と音声の表示があり、私でも楽に乗り降りできます。押しボタンが低い位置にあるので、美穂も使いやすいです」。
「娘の自立にエレベ−夕−がついたことが、大変役に立ちます。生健会の人たちが、がんばってくださったからですね。障害者も健常者もいっしよになって、くらしやすい地域をつくっていくことが大事ですね」。
参 考
総工事責は上永谷駅コンコースに関わる工事をふくめ、九億四千万円、うちエレベーター工事費一基一千五百五十万円で三基分。補助は国が六千六百万円、県はなし。
地域の人たちの力で実現 中田 勇会長
港南区生活と健康を守る会は、「障害者・高齢者にやさしい地下鉄づくり」をめざし、もよりの四駅
の「地下鉄探検(実態調査)」を行いました。
階段のスペースを測ったり、階段昇降機を試したり…。調査結果をもとに市交通局との交渉や懇談、署名活動、市議会への陳情などくり返してきました。
当初、上永谷駅のエレベーター設置は、「『ゆめはま二〇一〇プラン』の中で検討していく。これからつくる地下鉄には、意見を反映していく」と市は回答。
守る会は「二〇一〇年とはあまりにも先のこと。今困っているのだ。これらをとりつけるスペースもある」と強く要望してきました。
署名など、地域の人たちの力を借りて早く実現できて本当にうれしいですね。