「ニュース街かど問答」
生子 卒業・卒園の季節、晴れ着の風景は春のいぶきを感じさせるわ。
健夫 子どもたちにとっては、つかの間、学校や勉強から解放される春休み。元気に過ごしてほしいものだね。
生子 新学期を迎えるわけだけれど、待っているのは四十人学級と超スピードの勉強。きびしい状況よ。
健夫 九八年度予算案では実質八千四百三十三人もの先生が減らされることになるそうだ。
生子 私たちが要求している三十人学級が遠のいてしまうというわけね。
健夫 在日米軍への思いやり予算では、小学校で一学級あたり二十人から二十五人の定員で、日本庭園をそなえた特別教室やカフェテリアつきというのもあって大サービスだって新聞で読んだよ。
生子 いたれりつくせりというわけね。日本の子どもたちこそ、「国の主人公」として大事にしてほしいわ。
健夫 中学生が先生を刺し殺したのをきっかけに次つぎおこる「ナイフ事件」のために「持ち物検査」が公然と言われているけど、とんでもないことだと思わないか。
生子 持ち物検査をしたところで「そうしたい気持ち」が治まるどころか、大人への反発やあきらめばかりもってしまうんじやないの。
健夫 文部省は交渉の度に”財政がきびしい”というけどそれじゃ三十兆円はどこからでてくるのかといいたい。
生子 三十兆円の一部をまわせば三十人学級はできるのでしょ。子どもたちが「あれ」たり「きれ」たりにならないためには、一人ひとりが学校で大事にされる状況にすることが大事だと思うのよ。
健夫 そのためにも先生も子どもも、ゆったりできる三十人以下の学級を一日も早く実環することだね。
生子 「心の教育」などと言うより三十兆円を国民生活にまわせ!と叫びたいわ。
健夫 子どもたちのために頑張るときだね。