生子 また「大蔵省・銀行汚職」が発覚したわね。大蔵大臣の首切りや官僚の逮捕ぐらいで、大蔵腐敗は一掃されないわよ。
健夫 大蔵省の腐敗・汚職は、長年にわたってしみこんだ体質的なものだよ。
生子 その点では九一年に大蔵大臣だった橋本首相も、損害賠償をふくめて責任をとるべきだわ。
健夫 彼は当時、証券不祥事で辞職したけど、それですむ問題でないからね。
生子 ところで、今回の大蔵汚汚職、金融検査部の証券検査室の幹部の汚職なのよね。
健夫 いずれにしても、あのバブルをあおって、不良債権をぽう大につくり出したのも大蔵省の指導だったし、中小企業への貸し渋りや資金回収の指導を放棄しているのも、大蔵省なんだよ。
生子 そうした金融不安を大蔵省がつくり出し、次は三十兆円の税金・公費をつぎこもうというんだから、国民が怒るのも当然だわよ。
健夫 それを護送船団行政といっているんだけど、銀行や証券会社などの金融機関に大蔵省からの官僚が天下って黒いゆ着を深めているのも重大問題だよ。
生子 天下りのOB会まであって、定期的に会議まで開いているんだそうよ。
健夫 それに大蔵省出身の自民党など国会議員の「族議員団」が、金融機関からぼう大な政治献金や融資・株などの優遇措置やワイロを受けとっているんだ。政・官・財の関係は真黒なんだよ。
生子 大蔵省から金融部門を切りはなすのは当然だけど、そうした黒い関係を断ち切り、体質を根っこから変えなければならないわね。
健夫 それに三十兆円もの国民の血税を投入をやめさせることが、金融システムを健全化する道なんだと思うよ。
生子 銀行協会は自力でやれる体力・財力もあるといっているし、銀行が共同責任をおうべきよ。世論を高めていく運動が大事ね。