生活保護「母子加算戻して」と審査請求します
「手記」弱者の苦しさわかってほしい!−子どもを犠牲にしたくない−
生活保護「母子加算戻して」と審査請求します
「手記」弱者の苦しさわかってほしい!
−子どもを犠牲にしたくない−
新潟県長岡市 H・T(女性:40)
生活保護の一人親家庭に支給されていた「母子加算」(04年度までは級地により異なるが、子ども一人に2万円強)が、05年度より段階的に減額され、この4月に全面的に廃止されました。5月15日、全国で「母子加算を元に戻せ」と、いっせいに審査請求がとりくまれます。3人の子を育てている茅 子(ち こ)さんに、生活実態や思いをつづってもらいました。
私は06年に夫の借金問題などが原因で離婚し、高校2年と中学2年の息子、中学1年の娘の3人の子どもを一人で育てています。
私の勤務先は家から近く、休み時間に家に戻れ、残業や休日出勤もできて、給料は約20〜23万円でした。
昨年3月の工場閉鎖で、私は柏崎にある関連会社に異動になりました。1時間以上早く、子どもが学校へ行くより前に家を出て、帰りは夜8時過ぎ。子どもたちには負担をかけたと思います。
働いても生活費足りず
−倒れたら保護します″−
私は転職や環境の変化から、うつ症状になり、長岡生活と健康を守る会から生活保護のことを教わり、申請しました。市役所別室で2時間、3人の職員に責められるような対応で、「一定の給料があるので無理」「倒れたら、すぐ保護しますから」と言われました。
08年6月ごろ収入が減り、再び申請して、やっと生活保護決定にりました。
何の資格もない者が4人の生活費をかせぐのは簡単なことではありません。働いても働いても、足りないものは足りません。子どもは食べ盛り、衣服もすぐサイズが変わります。でも、減らすのは食費しかないのです。
車は通勤以外は禁止
−職業訓練にも通えず−
中2の子どもは発達障害があり、08年ころから不安やストレスから不登校になり、今も治療中です。
この不景気で、私は今年の3月20日、解雇されました。私の体調不良や過労から、子どもの変化に気づかず悪くしてしまったので、子どものことを第一に考え、私も療養に専念することにしました。
私が家族の大黒柱ですから、私が元気でないと、すべてがくずれてしまいます。もう子どもを犠牲にしたくありません。
過疎地ですが、車は通勤のためにしか認められません。通院にも、子どもが友だちの家に行くのにも車を使う地域なのに「ごめんね、車使えないの」と我慢させています。
現在、求職中で職業訓練を受けようと思いましたが、「車の使用はならない」のです。
子どもを学校へ送り出してからでは、バスの時間に間に合わず通えません。
どうしたら「自立」できる
−生活が豊かになるの?−
私のような人はたくさんいると思います。
今、この世界が、弱者にとって本当に苦しい場所であることをわかってほしいです。
市役所の方に「早く自立できるように」と言われましたが、どうやって「自立」したらいいのか、どうしたら生活が豊かになるのか、教えてほしいです。
私は3月分までは生活保護の母子加算(6、500円)の代わりの就労促進費1万円が支給されていました。4月からは、これももらえません。
5月15日、みなさんと一緒に「母子加算を元に戻してほしい」と審査請求をします。
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