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「北陸中日新聞」1999年 4月 14日(水曜日)



   

大学一年生

   68%が『授業難しい』文部省委託アンケート



 暗記型教育のツケ?

 

 大学一年生の六八%に理 解できない授業がある−。 高校教育と大学教育の連携 の在り方を探るため、文部 省の委託で西本憲弘塾学院 大教授(教育政策)らが十 四日までにまとめたアンケ ートで、こんな結果が出 た。理解できない理由には 「学力不足」を挙げる学生 が多く、高校と違って自主 性を重視する授業に戸惑う 声も目立つ。  

 西本教授は「暗記型の高 校教育と、思考力を求める 大学教育の間に断絶があ る。受験用の教科だけに力 を注ぎ、幅広く勉強してい ないのも原因だろう」と分 析している。大学でも本格 的な授業が始まるが、受験 からの解放感にひたる新一 年生の前には新たな関門が 待ち構えているようだ。  

 アンケートは一九九七年 夏、岩手、栃木、埼玉、神 奈川、兵庫、岡山、高知、 福岡の八県の公立高校を卒 業し、四年制の国公私立大 二百二十九校に進学した一 年生約千七百人に調査票を 発送、六百九十一人から回 答があった。  

 それによると「授業のレ ベルが高くて理解に困難を 感じる科目がある」は全体 の六八%。理系に限ると八 〇%に上った。  

 理系学生にその理由(複 数回答)を聞くと「自分の 学力不足」が六五%と最多 で、「授業の進め方が不適 当」四六%、「自分のやる 気不足」二八%と続いた。 文系でも「学力不足」が六 八%で最も多かった。  

 高校でもっと準備してお くべきだったと思うこと (同)は「文章を書く力」 三五%、「外国語」二八% など。  

 大学の授業の印象では 「高校のように先生のフォ ローはなく、自分のやる気 にかかっている」 「高校で の強制的勉強とは異なり、 自由には責任が伴うことを 実感する」などが多かっ た。  



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