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「北陸中日新聞」1999年 4月 14日(水曜日)



   

  則定氏辞職   「浮気は検事の活力」


後任有力の堀口氏公言

 

 東京高検検事長だった則 定衛氏(60)=十三日付で辞 職=の女性との交際をめぐ る問題などで、内部調査に 当たった最高検の堀口勝正 次長検事が、法務省内で複 数の記者に対して「浮気は あったかもしれないが、み んなそういうことを活力に している。検事の半分以上 はそう思っている」などと 公言していたことが、十三 日までに分かった。次長検 事は検事総長、東京高検検 事長に次ぐナンバー3のポ ストで、掘口次長検事は則 定氏の後任に有力視されて いる。今回の問題では検察 の内部調査の不十分さを指 摘する声もある中、掘口氏 の発言は波紋を呼びそう だ。  

 この発言は十二日、掘口 氏が法務省内で五人の記者 に囲まれた際に出た。月刊 誌を引用する形で今回の問 題を報じた新聞社の記者に 対して「三流雑誌の記事を 一面トップに引用するなん て(則定前検事長の)追い 落としのための謀略だ。あ んな記事を引用して(最高 検が)調査した結果はどう だ」などと批判。その上で 「確かに浮気はあったかも しれないが、みんなそうい うことを活力にしているん だ。この建物(法務省)の 中の半分以上の検事はそう 思っている」と述べた。  

 最高検は、問題が表面化 した九日から法相の指示で 内部調査を開始。十二日に 「国家公務員法上の懲戒に は当たらないが、一連の行 為は検察官の地位、職責に 照らして不適切だった」と 結論づけた。業者との癒着 疑惑については「服務上の 問題はなかった」とした。  

 掘口氏の発言について法 務省に確認を求めたとこ ろ、同省は「発言中、前半 の「三流雑誌』や『謀略」 などの部分は不適切な発言 だった。後半の「浮気は活 力』などの部分は、実際の 発言がこの通りの表現であ ったとすれば真意と異なる ので、いずれも本人におい て撤回したものと承知して いる」と回答した。  

 則定氏は十三日の閣議で 辞職が了承され、北島敬介 検事総長名で厳重注意を受 けた。  


 

  検察、四流以下の官庁
 評論家の佐高 信さんの話  

 堀口氏が言う三流雑誌に 書かれ、それで検事長が辞 める検察は四流以下の官庁 ということだ。そんな発言 をする人が後任とは、とん でもない。半分以上が「浮 気は活力」という意識を持 っているとすれば、常識外 れの官庁だ。  

 

  問題分かっていない
 参院議員で弁護士の福鳥 瑞穂さんの話  

 何が問題と されているのか全く分かっ ていない。差別的意識が骨 の髄まで染み込んでいるか らだ。接待疑惑などを「問 題なし」とした最高検の調 査結果についても国会で追 及する。  



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