「こんな事もできるんだ?!」と思いましたね。初めて聞いたときは。「何でもあり」の手が打てるのなら、「予算がありません」「国からの指導で・・」「法で決まっていいるので」何度こんな言い訳を聞いたことか。それも、何億円も予算が必要なことでもなく、しかし、人間の「いのち」子どもたちの「未来」にかかわることなのに。
「北陸中日新聞」「けいざい」99年 2月 12日(金)
7兆 4、500億円の公的資金投入
株含み損拡大「健全行」めざし増額
金融再生委員会は、大手銀行など十五行に総額約七兆四千五百億
円に上る公的資金の投入を十二日にも内定する。十五行は公的資金
に加えて、民間から約一兆七千億円を自力調達する方針で、総額九
兆円を超える資本増強が三月末までに行われる見通しだ。大規模な
資本調達の背景や今後の公的資金投入の手続きなどについて、Q&
A方式で探った。
(東京経済部・池田実)
Q 公的資金投入の目的
は。
A 大手行などへの公的
資金は昨年三月にも約一兆
八千億円投入されたが、今
回は昨年十月に成立した金
融機能早期健全化法に基づ
くもの。先送りされ続けて
きた金融機関の不良債権処理を強力に進める一方で、
貸し渋りも解消して、銀行
に対する信頼を回復しよう
というのが主な目的だ。人
員削減や遊休資産の売却、
民間からの資金調達など、
銀行自らの努力で資本を増
強したうえで、不足分を公
的資金で補うというのが今
回の資本注入の基本的な考
え方だ。
Q 銀行側が昨年の十一
月に表明した申請予定額は
約五兆七千八百億円だった
のに、なぜ増額に。
A 金融再生委員会や金
融監督庁は昨年十一月以
降、資本注入の条件をめぐ
り申請予定行と交渉を続け
てきた。その際、「問題債
権の引き当て不足が大手十
七行で一兆円を超えてい
る」とした監督庁の検査に
基づき、銀行側に対して引
き当て・償却の上積みを要
求。引き当ての基準も米国
より厳しいものを定め、不
良債権の抜本処理を図っ
た。銀行が保有している株
式の含み損が株価低迷など
で膨らんでいる点を考慮し
ても「健全な銀行」と市場
から見られるような額の資
本増強を求めたことが、増
額となった大きな要因だ。
Q 最近、あちこちの銀
行が提携や海外撤退などを
表明しているけれど、公的
資金投入と関係は。
A 再生委は、銀行側に
は徹底したリストラによる
経営体質改善を求め、銀行
の将来の姿も明確に打ち出
すよう求めてきた。三井信
託銀行と中央信託銀行の合
併、安田信託銀行の富士銀
行による子会社化、大和銀
行と関西の地方銀行との提
携などは、こうした再生委
の強い姿勢がバネとなった
といえる。
Q 内定通知後の審査は
何をするの。
A 再生委は内定後も、
銀行側にはリストラ努力な
どを引き続き求めていく方
針だ。注入条件である公的
資金の予定配当率をめぐる
折衝も今後の課題になる。