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  憲法記念日の新聞です 「あかはた新聞」
 

憲法記念日に各新聞社は社説などでそれぞれの考えを述べています。



「あかはた新聞」1998年5月3日(日曜日) 「主張」

  憲法の原点に立ち返るとき
 

 日本国憲法は施行五十一周年を迎えました。日本の平和や私たちの暮らしを脅かす深刻な手態がつづいています。いまこそ憲法の原点に立ち返るときです。  

 憲法は戦後史上かつてないきびしい 事態にさらされています。その重大な あらわれが、橋本内閣・自民党が国会 に提出した「周辺事態措置」法案など 一連の対米軍事支援法案です。
 アメリカが軍事行動を起こせば「周 辺事態」と称して、国会にはかること なく、自衛隊をはじめ全面的な軍事協 力を発動しようというのです。アメリ カの判断で日本が自動的に参戦する 「アメリカ有事参戦法」です。  

 戦争と武力行使そのもの  

 自衛隊が戦闘中の米軍にたいし武器 ・弾薬、燃料等を輸送、補給し、船舶 の強制検査、遭難米兵の捜索・救援、 情報提供などに出動します。この作戦 で「合理的に必要と判断」すれば自衛 隊は武器を使用します。
 自治体や民間に対米軍事支援の「協 力を求めることができる」とあります。
国民と自治体を強制動員するねらい です。
 日本が引き受ける行為は職争と武力 行使そのものです。戦時に補給、輸送、 情報提供等をおこなうことは、それ自 体が、相手国からの攻撃対象になりま す。「武力行使に当たらない」「米軍の武 力行使とは一線を画す」という政府の 言い訳は、国際的にも通用しません。
 日本国憲法は前文と第九条で、国権 の発動による戦争はもとより、武力に よる威嚇など戦争につながるいっさい の行為を否定しています。アメリカ有 事に参戦することは、明白な憲法違反 です。これを「憲法の範囲内」などと いうのは、解釈改憲を極限にまで押し 広げる暴挙です。
 憲法は、日本とアジア諸国民に甚大 な被害をもたらした侵略戦争と暗黒政 治への痛切な反省と教訓にたって制定 されました。「アメリカ有事参戦法」 は憲法の原点を根本から踏みにじり、 戦後五十三年にして日本を「戦争国家」 の道にみちびくものです。
 憲法を踏みにじる問題は、国民の暮 らしや医療・社会保障にも顕著にあら われています。
 たとえば医療・社会保障の連続改悪 の攻撃です。「負担増で生きる希望を 失った」「医者にかかるときは死ぬと き」−。昨年九月の医療改悪は、医療 を必要としている人たちに、耐えがた い負担と苦しみを押しつけています。
 八時間労働制など戦後かちとった労 働者の権利の根幹を崩す、労働法制改 悪の攻撃もその一つです。過労死まで 生み出す長時間・過密労働を押しつけ る大企業の横暴をいっそう野放しにし ようというのです。
 憲法第二五条は国民の生存権を明記 し、「社会福祉、社会保障及び公衆衝 生の向上及び増進に努める」ことは国 の責任、と規定しています。生存権を 脅かす自民党政治は、憲法が求める最 小限の責任さえ放棄するものです。
 国民主権と国家主権、恒久平和主義、 基本的人権、議会制民主主義、地方自 治−−。憲法がうち立てたこの五つの 進歩的原則は、二十世紀の人類の英知 を先駆的に反映した世界に誇るべき宝 です。二十一世紀の日本の指針として 将来にわたって擁護、発展させられる べきものです。  

世界に誇る憲法原則にたち  

 歴代自民党政権はこの画期的な諸原 則の実施をさぼり、解釈改憲を積み重 ねてその空洞化をはかってきました。 そしていま、改憲勢力は「時代に合わ なくなった」「古くなった」といって、 国会に改憲発議権の足がかりをつくろ うと躍起になっています。憲法そのも のを、自民党政治の現実に合わせて改 悪しようという本末転倒の試みです。
 しかし、「古くなった」のは憲法の 進歩的原則に背いてきた自民党政治そ のものです。いま求められるのは、な によりも憲法を全面的に踏みやぶる 「アメリカ有事参戦法案」を許さない こと。そして、世界に誇る憲法の進歩 的原則にたって、自民党政治の古い枠 組みを根本からあらためる方向へ国民 が力を合わせること。これこそ憲法を いまに生かす道です。
 

 



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