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北陸中日新聞 1998年9月18日(金)


  気軽な健康づくり

   ウオーキング


 「脂肪燃やして肥満予防」
 隣の人と話できる速度・20分以上、週3〜4日

 健康づくりには、いつでも、どこでも気軽にできるウォーキングが最適。 大またで、隣の人と話ができる程度の速足で、二十分から一時間ほど歩く と、体内に蓄えられた脂肪が適度に燃焼され、ダイエットを目指す若い女性 やおなかの脂肪が気になる中高年にお勧め。秋を迎え、中京大学体育学部教 授の場浅景元さんに、効果的なウォーキングの方法をアドバイスしてもらっ た。
                  (妹尾 浩和)


  中京大学体育学部教授  場浅 景元さんに聞く


 ウォーキングは、たくさんの酸素を使いながら運動する「エアロビクス」の代表。エネルギーの消費で肥満予防になるほか、運動不足で衰えやすい心臓や肺を強くする効果もあり、糖尿病や高血圧など生活習慣病の予防、改善に役立つ。
 肥満は女性に多い皮下脂肪が厚くなるタイプと、中年の男性に多いおなかの内臓につくタイプとがある。
 脂肪細胞が活発になり、細胞が大きくなることが原因だ。胞肪は燃やさないと体内からはなくならない。
 脂肪を燃焼させるのに効果的なのは、酸素を十分取り入れながら、背骨のまわりや手や足の深い部分にある「赤筋」と呼ばれる筋肉を使った運動で、それに最適なのがウォーキング。
 しかし、ただ歩けばいいわけではない。背骨をしっかり伸ばし、大またで手も大きく振って速足で歩くのが効果的だ。
 速足と言っても、息が切れるほどの速さは、酸素が不足しており、脂肪を十分に燃やすことができないから逆効果。心拍数と酸素消費量が最大時の六〇%前後が理想で、例えば「多少、呼吸が苦しくても、隣を歩いている人と話ができるスピード」。
 また、歩き始めは赤筋も炭水化物をエネルギー源とするため、脂肪を利用し始めるまでに十五分近くかかるので、二十分以上は歩く。
 少なくとも週三〜四回、できれば毎日がいい。注意すべきなのは、ひざに体重の一・五倍の力がかかるため、ひざの関節を痛めやすいこと。普通は一回一時間を限度とする方が良い。
 ウォーキングが効果的といっても、それだけではバランスを欠く。歩いても筋肉がつくわけではないので、別にウエートトレーニングを取り入れてほしい。
 歩く際、背中側の筋肉は鍛えられるが、おなか側は使われないので反ってしまい、腰痛になりかねない。
 筋力をつけるには、腹筋や腕立て伏せなどの筋力トレーニングが必要。持久力を高める「エアロピク ス」、筋肉を強くする「ウエートトレーニング」、体の柔軟性を高める「ストレッチング」の三つの運動を取り入れることが必要だ。
 ウォーキングには、水分の補給が大切。水分が不足すると、血液が濃縮されてしまう。のどの渇きを感じた時は、すでに水分を失っているので、事前に汗と同じ程度の水分を補給しておく。特に、中高年は、水分不足を感じるのが遅くなりがちなので早めに対応を。
 また、秋から冬にかけては外の方が温度が低く、血管が閉じて、血圧上昇を起こしやすい。最初はマスクをしたり、厚着をして歩き始め、温かくなったら外す。
 湯浅さんは「通勤途中や買い物途中にウォーキングを取り入れる工夫を。ストレス解消など精神的な効果も大きく、森林浴をしながら里山を歩いたり、ウォーキング大会への参加など楽しみながら取り組んで」と呼び掛ける。

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