Xa9のMMX化に成功!

ついに、ついに、ついに、MMXを搭載しました。


XaシリーズのMMX化は不可能なはずでは?

ちょっと前まではXaシリーズのMMX化は不可能だといわれていました。しかし、最近になって雑誌などでもMMX Pentiumの搭載に成功したという記事が載るようになりました。ただし、ただ載るというわけではなく、ある条件を満たす必要があったのです。

 

ある条件とは?

条件というのは、98標準装備の内蔵IDEを使用しないようにすることです。使用しないというのは具体的にどういうことかを以下に示します。

1.Windows95のデバイスマネージャで「スタンダードIDEハードディスクコントローラ」を削除する。

2.システムセットアップメニューで「内蔵固定ディスクを切り離す」にする。

3.本体のIDEコネクタから、ハードディスクとCD-ROMドライブのIDEケーブルを取り外す。

この三つの条件が満たされたとき、初めて内蔵IDEを使用しない設定だといえるのです。どれか一つが抜けてもMMXは正しく動作してくれません。

また、この順番でIDEを切り離さないと、動作が不安定になるようです。

 

ハードディスクやCD-ROMはどうするのか

ここで出てくる疑問は、どうやって起動するのか、また取り外した機器をどうするのかということです。これには大きく分けて二通りの選択があります。

全ての機器をSCSI化する。

これは、費用がかかること以外に特に問題が出にくい方法でしょう。このホームページでも紹介しており、筆者も使用している方法です。

IDEボードに機器を取り付ける。

これは、安上がりな代わりにいくらか設定が面倒な場合があります。(なお、IDEを切り離すというのは、IDEそのものが問題になるのではなく、本体標準装備のIDEが問題になっているので、他の手段でIDEを利用するのであれば、MMXは動作するのです。)

さらに、IDEでは次の二通りに分かれるでしょう。

I・Oデータの「IDE-98」を利用する方法

このボードが曲者で、設定がうまくいかないことがあるようです。

同じくI・Oデータの「UIDE-98」を利用する方法

全く未知なので、おそらく可能であるとしか言えません。ただし、PCIバススロットに接続するボードなので、設定に悩んだり、うまく動作しないといった事態には、なりにくいと思われます。

前者の場合はCバススロット(汎用拡張スロット)に装備しますので、貴重なPCIを減らしません。その代わりにE-IDEなので、速度の向上やCPU占有率の低下といったことはあまり期待できません。

では、後者はどうかというと、UltlaDMA33が利用できるために、高速で極めて低いCPU占有率という環境が手に入ります。その代わりに、PCIバススロットが使われてしまうので、スロットが一つしかない機種では厳しい選択になってしまいます。

 

MMXを搭載したCPUはどれを選べばよいのか

いろいろなCPUが出ており、選択肢があるのですが、やはりお勧めするのはIntelのMMX Pentiumです。他社のCPUに比べて一番安定した動作が得られると思います。なお、今回使用したCPUは「MMX テクノロジPentiumオーバードライブプロセッサ」の200MHz版です。この場合、233MHzにはできませんが、単にCPUを交換するだけなので電源の確保などを考える必要もなく、非常に安定した動作が得られます。

ところで、MMX ODP 200MHz版といえば、ソケット7用として販売されていますので、ソケット5のXa9には搭載できないのでは?と思った方もいらっしゃるでしょう。ところが、ソケット5に搭載できるようにも設計されているのです。というのも、一定条件を満たせばソケット5でも搭載できるということなのです。現に箱やマニュアルには、「製品の対応表に記載されている機種で、ソケット5を使用している場合でも条件を満たしている場合は、搭載できる」というような内容の記述がされているのです。逆にソケット7でも、「条件を満たしていない場合は使用できない」というような内容も、記述されていました。

その条件の詳細は忘れてしまいましたが、要は「BIOSが対応していること」「CPUを搭載したときに上部に十分な空きがあること」「熱気を放出するだけの十分な冷却ができること」なのです。全く保証外の改造を行っているわけですが、条件的にはE-IDEを切り離したXa9は、満たしていると言えると思います(それでも保証外ですので、責任はすべてユーザーにあることをお忘れなく)

 

それでもやっぱり出た不具合

例のごとく筐体をばらして、CPUを取り付けましたが、不具合が出てしまったのです。取り付け後、緊張した面もちで電源をオンしました。すると...メモリカウント後にハングアップしてしまうではありませんか!私はその場に崩れ落ち、「すべてが終わった...」と思ってしまいました。しかし、冷静になってよく考えてみると、メモリカウントが行われているということは、マザーボードのチェックはクリアしたということなので、拡張機器の問題であることに気が付いたのです。今までの経験や情報から、SCSIボードが怪しいことを推測するのは容易なことでした。すぐさまボードをはずして再度電源を入れたところ、「システムディスクをセットしてください」の画面が出ました。間違いなくSCSIボードが原因でした。せっかく高速化とCPU占有率低下をねらって導入した「SC-UPCI」(UltraSCSIボード)でしたが、前に使用していた「SC-PCI」(SCSIUボード)に交換しました。すると全く問題なく動作しました。

なお、SC-UPCIが不良品だということでは全くなく、保証のない改造をユーザーの責任において行っていることなので、こういったことがあっても、決してメーカーに文句を付けるようなことをしてはいけません。

 

MMX200MHzの力を堪能

搭載後に、ベンチマークやMMX対応ソフトの動作などをやりまくりしました。まず、一番分かりやすいのがソフトウェアシンセサイザーです。音の場合は映像と違って一部分でも欠けてしまうと、はっきりと分かるからです。

それで、バーチャルサウンドキャンバスのVSC-88を使用しました。今までは、「22KHzでリバーブ等の効果を無し」の状態にしないとまともに聞けなかったのが、「22KHzですべての効果を有り」の状態にして余裕を持って十分聞けるようになりました。さすがに44KHzでは同時発音数が足りなくなってしまいましたが、22KHzでもかなりのものです。

次に、VIDEO CDの再生をSoft PEG Player97で行いました。すると、MMXに対応しているので画質優先で再生しても、コマ落ちなどせずに再生してくれました。MMXの効果が十分出ているものと思われます。

なお、ベンチマークに関しては以下のグラフを参照してください。

 

HDBENCHによる測定結果

 

WindSockによる測定結果

このベンチマークでは、MMXの能力を直接は測定できないのですが、100MHzから200MHzへのクロックアップの効果は現れています。ただし、グラフィックに関してはGA-PU8/PCIのドライバが、一部MMXの支援を受けるようになっているそうなので、大幅に向上しているのかも知れません。

 

MMX化を終えて

MMX非対応のXa9をMMX化するということで、一抹の不安はありましたが、一応の成功を見たのでほっとしております。それでもSCSIボードが1枚使用できなくなったのは残念でした。しかし、MMX化する事による恩恵は遙かに多いので、十分あきらめがつく価格帯の機器です。(でも、決して捨てるつもりはありません。勤め先や友人のPCに搭載してもらおうかと思っております。)

MMXは通常のソフトでは利用できませんので(間接的に関わる場合もありますが)、単純なクロックアップでも良さそうですが、現実はそうもいかなくなってきているようです。MMXが有るか無いかでソフトが動くか動かないかが決まるようになるのです。最悪の場合、MMXが無いために使用できるソフトが限られてしまうということがあり得るのです(それでも、MMX ODPでは動作しないというソフトもまれにあるようです)。

しかし、メーカー側でODPの対象機種を増やしてくれれば(BIOSアップデートプログラムを作ってくれれば)、苦労することもなく、動作しなかったときの恐怖感を感じることもなくアップグレードできるのですがねえ〜。


免責事項

この改造は全くのメーカー保証外ですので、責任は改造を行うユーザーに課せられるものです。また、当ホームページでも一切の保証はできませんのであらかじめご了承ください。


 

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