PC-9821Xa9/C8内蔵CD-ROM交換奮闘記

PC-9821Xa9/C8の内蔵CD-ROMドライブの交換に果敢に挑戦!!


PC-9821Xa9/C8(以下Xa9)のCD-ROMドライブは4倍速で、ほとんどのCDフォーマットにも対応しており、またスピードに関してもCD-ROM高速化ツール(CDISK X)の使用で特に不満はなかったのである。ところが、いくつかの問題を抱えていたのだ。

  1. CPUにやたらと負担がかかっているような気がする。(はっきりと数字では出ないが、体感的には負荷が大きいように思う。また、トレイの出し入れの際に、CPUが完全に乗っ取られる。
  2. CDエクストラに対応しているか不安。Xa9の発売時期を考えるとかなり厳しい。)
  3. やっぱり早い方がいい!(高速化ツールでは、やはり限界がある。)

上記の問題を踏まえて、機種の選定を開始した。

さらに上記以外にもいくつかの条件を設けて絞り込んだ。

  1. 有名メーカーのしっかりとしたもの(回転部分がある機器だけに、質の高いものが望ましい。)
  2. MS-DOSでもCD-ROMを使用しているので、NECCD.SYS」で動く方が面倒でない。(現在の環境をそのまま引き継げる。)
  3. CPUへの負担を考えるとSCSIタイプの方が良いが、98での動作を保証するものは、今のところ知る限りでは存在しないのでIDE接続となる。そこで、DMAモードに対応した製品が望ましいことになる。(Xa9のチップセット「WildCat」が対応しているかは不明だが。)

などといった条件だ。

さて、では具体的にどんなものを選べばよいのだろう。メーカーで選ぶとやはり「メルコ」と「I・Oデータ」ということになる。さらにカタログを調べると、両者それぞれに内蔵IDE接続タイプのCD-ROMが発売されている。しかもどちらも16倍速である(まったく最近のドライブの進化ときたら異常に早いのでまいってしまう)。

両者のドライブの製造元を調べたところ、 I・Oデータは不明であったが、メルコはソニーであることが判明した。Xa9のドライブもソニーだから交換するだけで使用できるかもしれない。しかもDMAモードにも対応しているのであっけなくこのドライブに決定してしまった。

気になる価格は定価24,800円で、購入価格は21,400円であった。SCSIタイプと違って値段が安いのはIDEならではだ。早速購入していよいよ取り付けである。

取り付けにあたってまず本体をばらす(当然のことだが)。この作業が面倒くさいのだ。私の場合17'のディスプレイを使用しているので、重さ何と20Kgなのである。このディスプレイをおろしてからばらすことになるのでいつも腕が痛くなるのである。

それで、ばらしてみるとそのままではCD-ROMドライブのケーブルがはずしにくいので、固定しているネジを外して、ドライブを少しずらすと作業がしやすくなる。ケーブルをはずす際は、ドライブ側をはずして本体側ははずさない方が良いだろう。つまり、ケーブルはドライブ付属のものではなくて、本体に標準で装備されているものを使用したいのである。ケーブルの長さが付属品では長すぎるので、本体標準のものを使用することによりちょうど良い長さになるのだ。

E-IDE(ATAPI)接続なので、「マスター」「スレーブ」の切り替えが必要になるが、ここで問題が生じた。標準装備のドライブをはずしたところ、設定が「マスター」になっていたのだ。ところが、これから付けようとするメルコのドライブのマニュアルには、「スレーブ」で使用するように記述してあったのだ。作業をいったん中止してかなり悩んだが、もとがマスターで動いていたのだからメルコのドライブもマスターで問題ないはずと決め込んで取り付け作業を再開した。ケーブルの取り付けがやたらと面倒だったが何とかもとの姿に戻った。

さて、それでは試運転ということでスイッチオン!しかし、メモリカウントの後ハングアップしてしまう。何度やっても同じだ。そこでもう一度ばらしてみることにした。

やはりマスターにしたのがまずかった。スレーブに戻してまた組み立てる。これで完璧。気を取り直して再びスイッチオン!今度もまったくだめだ。「おかしい!」設定ではないとしたら何か別のところに問題があるに違いない。

三度ばらしてみる。よくみると何とハードディスクのケーブルのコネクタが外れているではないか!しかも半分接続された状態になっているので中途半端に認識されていたのだ。「まったく何というイージーミス!」初歩的なことでつまずいてしまって少々ショックを受けてしまった。しかし、原因が分かったのだから再び気を取り直して組み立て後スイッチオン!今度は、メルコのPCIバス用ウィンドウアクセラレータのBIOSが読み込まれたところでハングアップ。

今度こそ設定をマスターにあわせれば問題無いはずだ。ばらして設定を直してまた組み立ててスイッチオン!ついにいつもの起動画面にたどり着いた。ここまでですでに2時間半は経過している。まったく遠回りをしてしまったものだ。

この取り付けで分かったことは、ケーブルは確実に接続されているか確認が必要だということと、98ではCD-ROMドライブを必ず「マスター」で使用するということである。

 

やっとの思いで使えるようになったCD-ROMドライブで早速性能のほどをチェックだ。まず、改善されたのはCPUへの負荷である。冒頭でも述べたことだがCD-ROMへアクセスすると(特に出し入れを行ったとき)CPUがほぼ100%占有されてしまって作業が分断されてしまうということが起こっていたのだが、これが改善された。それと、アクセススピードも改善されて十分満足の行く速さになった。あと、難しいと思われていたDOSのNECCD.SYSでの認識についてだが今までと変わらず問題なく使用できたのである。これで、DOS環境もWindows環境も今までどおり使用できるようになった。

 

すべてがうまくいったので、今回のアップグレードには非常に満足している。取り付け作業での苦労を除いては…。

やはり、こういった作業のときは何よりもケーブルなどが確実に接続されているか確認することが、重要であることを痛感した次第である。「気を付けよう!アップグレードの甘い罠」である。

 

なお、蛇足ではあるが取り外した4倍速ドライブは勤め先であるファーストコンピューター専門学校のPC-9801BA3に取り付けたので決して無駄にはしていない。さらにこの時はデバイスドライバで苦労したがやはりドライブの設定は「マスター」にしておかないと認識できない。さらに、内蔵ハードディスクがないためにDOS用の16bitドライバーで動作させているので、実効速度は2倍速程度になっている。


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