もともと、BA3をアップグレードするつもりはなかったのですが、Xa9の改造によって余ったCD-ROMやHDDを再利用するため、BA3に取り付けたのが始まりです。
CD-ROM・・・メルコが販売する「CDI-16FB」でSONY製の16倍速ドライブを使用したものです。
HDD・・・I・Oデータが販売する、「HDI-2.1G/98」でIBMのDAQA32160(2GB)を使用した物です。
いずれも、Xa9のパワーアップのために購入した物ですが、ドライブ装置の総SCSI化のために使用できなくなった物で、質が悪いとか性能が低いというわけではありません。(今となっては廉価型の普及品にも及ばないでしょうが...)また、両方ともBA3に取り付けるための金具などが、最初から付いていたので特に買いそろえる物もなく、かんたんに取り付けができました。なお、取り付け方法はマニュアル通りに行えば問題ないのと、再三取り上げていることなので割愛します。
個人の持ち物ではなく、勤め先のPCである程度増設してあり、一応Windows95が動いていました。すでにグラフィックボード(WGN-V2)・サウンド&SCSIボード(WaveSMIT)・増設メモリ(28MBのメモリ←メルコのEXBの4MBを使用しているため中途半端なわけです。4MB+16MBと8MB)・HDD(SCSI 540MBを圧縮して使用)が搭載されていて、CD-ROMは無しですが、環境が一変しました。
これで立派なビジネスマシンの誕生です。オフィスソフトを入れればすぐ現役復帰です。
Windows95を快適に動かすには、大量のメモりが必要です。ビジネスソフトを使う場合でも32MBは必要だと思います。そこでメモリの増設を行いました。メルコの「EMF-P」の16MBを買ってきて、8MBのSIMMと差し替え、合計36MBになりました。(なお、メモリの購入時期がかなり前なので、12,000円もしていました。)これで、ビジネスソフトのみならば十分使えるようになりました。
グラフィックソフトやエンターテイメント系のソフトの使用は、やはりきついです。さらにメモリを増やせばよいかも知れませんが、有る程度スワップを抑えられる容量があるのと、値段が流動的なのとで、CPUの交換を検討しました。
現在販売されているものはI・Oデータの「PK-A586/98」(以下PK)、メルコの「HAS-33QP」、インテルの「PODP83」(以下PODP)です。ソフトのインストールがいらない簡単な物がよいのでPKとPODPに絞りました。雑誌の記事を読んでいると、総合能力でPKの方が上を行くようです。ただし、内訳を見るとPKは整数演算では上を行くものの、浮動小数点ではPODPをかなり下回っています。ビジネスソフトの使用が殆どなので、整数演算が速いのは高速化に役立ちそうです。浮動小数点は動画の描画などに役立ちますが、ビジネスが中心なら整数演算が速い方が有利です。なお、購入には21,000円位かかりました。(相場は19,800円前後だと思われますが、在庫が有る店が限られていたために、高値で買わざるをえなかったのです。)
以下は、CPU交換前と交換後の比較です。
WindSock | 改造前 | 改造後 | 向上率 |
CPU | 483 | 1001 | 207% |
グラフィック | 765 | 1504 | 197% |
HDD | 307 | 641 | 209% |
メモリ | 213 | 220 | 103% |
総合 | 408 | 786 | 193% |
HDBENCH | 改造前 | 改造後 | 向上率 |
総合 | 1810 | 2940 | 162% |
浮動小数点 | 1754 | 3745 | 214% |
整数演算 | 2979 | 6118 | 205% |
矩形 | 3434 | 6828 | 199% |
円 | 382 | 622 | 163% |
テキスト | 330 | 378 | 115% |
スクロール | 94 | 95 | 101% |
DirectDraw | 23 | 36 | 157% |
READ | 2643 | 2864 | 108% |
WRITE | 3364 | 3125 | 93% |
CACHE | 1315 | 2691 | 205% |
CPUの能力に影響を受ける部分はすべて向上しています。CPUの整数演算のみの比較ならば、Pentium90MHzに迫る力があるようです。しかし、ベースが486マシンですから、その力も空回りして大幅にダウンしてしまいます。それでも総合力で1.6〜2倍程度に伸びているので、満足のいくマシン(ビジネス用途としては)に仕上がりました。なお、あまり期待していなかったエンターテイメント系のソフトも、軽めの物ならかなり高速に動くようになりました(予想外にラッキーな結果です)。
3Dが高速に動くとか、MMXで対応ソフトがバリバリに使えるといった派手さには欠ける改造でしたが、粗大ゴミ問題が話題になっている旧型パソコンを復活させることができるのだから、地球規模で見ればちょっとは環境にやさしいかも知れません(懐には厳しい!)。今後はメモリを増設しようと思います。最大で64MBまで増設できますから、そこまで行けばかなり快適でしょう。HDDの遅さも、ディスクキャッシュを多く取ることで少しはカバーできます。
BX2の改造でもふれていますが、すでに何かを増設しているような場合はかなり少ない投資で、十分使えるマシンに変身します。Windows95が動けばそれほど高速でなくてもよいというような場合は、むしろこういった旧型機の方が扱いやすいのではないかと思います。目的がはっきりしていれば、買い換える前にパワーアップについても検討してみてはいかがでしょうか?