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●このパートは、実際にゲームマスター
をやろうという人のための資料集です。
必要なルールというわけではありませんが、読んで参考にしてください。
魔女たちの住む、この国は「ランドアイルス」と呼ばれます。
北を山々に南を海岸線にはさまれた、東西に帯状にのびる国で、そのなかに、
街や村が無数に点在しています。ひとつの国というよりは、
無数の都市国家の集合体といえるかもしれません。
大昔、ユキリア公とよばれる伝説の王様が、世界統一をなしとげたとき、
このランドアイルスも、ひとつの王国として統一されたと言われていますが、
現在(というより、ここ数世紀にわたって)は、それぞれの街は、
互いに支配することも支配されることもなく、それぞれが、
それぞれの営みをおこなっています。
註:ユキリア公=伝説の王です。
ウィッチ・タローの
ナンバー4のカード
(「王」のカード)
のもととなったことでも知られています。
それぞれの街には、王様、市長さん、村長さん、商工会議所のメンバー、
町内会の世話役などがいて、それぞれのやり方で街を運営しています。
街と街はとなりあっていたとしても、まるで違う国のように、そのようすが違います。
面白いことに、ランドアイルスでは、街ごとに暦や時間の流れかたも微妙に違うのです。
1年が12ヵ月であることや、1日が24時間であることなどは、ほぼ共通ですが、
カレンダーや、時間のきざみがちょっとずつ違うのです。ある街で、
収穫祭のワインが飲まれているころ、別の街では「これから刈り入れ」
ということはよくありますし、ある街が夕暮れのとき、別の街が、まだ昼だったり、
さらに別の街は夜である……ということも珍しくありません。
いってみれば、街ごとが、それぞれの「時間」を持っているわけです。街の住人は、
その「時間」にあわせて生活していますし、旅人は、新たな街につくたびに、
その街の「時間」に自分をあわせるのが、普通です。
しかし、ランドアイルスには、「街の時間」にとらわれず、「自分の時間」
を持っている人々がいます。それが「魔女」です。
魔女は、どの街の暦とも違う、「魔女暦」にしたがって生活しています。
「魔女暦」は、月の運行に対応したもので、1ヵ月を28日と数え、
1年を12ヵ月と考えます。魔女たちにとって、1年は336日ということになります。
(魔女た
ちが、いつまでも若くいられるのは、普通の人々が365日生活するあいだに、
336日しか生活していないからだという人もいます)。
魔女たちは、「自分の時間(暦)」を持っているゆえに、
どの街にも縛られることがありません。魔女たちが、魔法を使えるのも、
ほうきで空を飛べるのも、“街に縛られていないから”なのだと、よくいわれます。
魔女たちの、歴史は
<古の時代>
<傲慢の時代>
<悪夢の時代>
<服従の時代>
<現在>
の5つの時代に大別できます。
<古の時代>
はるか昔、ランドアイルスに街もほとんどなかったころ、
人々は自然と共に暮していました。この時代、魔女たちは、
自然と人間のあいだにたつ仲介者としての役割をもっていました。
<傲慢の時代>
人間と違う能力を持つゆえに尊敬され、特別な扱いを受けていた魔女たちは、
やがて、自分たちが人間より、すぐれた存在だと思うようになりました。
おごった考えの魔女たちのなかには、
人間を支配しようと考える者も出てくるようになりました。
この時代には、人間と魔女の戦い、
そして魔女同士の戦いも数多く行われたと言われています。
註:いわゆる「魔女戦争」です。この時代に、貴重な知識も数多く失われ、
魔女たちは力が弱くなったと言われています。
<悪夢の時代>
魔女が弾圧を受けた時代です。悪夢のような“魔女狩り”が各地で行われ、
何人かの魔女と、たくさんの無実の人々が犠牲になりました。
この時代、魔女たちの大部分は、森の奥や山のなかに隠れ住んでいたそうです。
<服従の時代>
“魔女狩り”の狂気は去り、
魔法が忌み嫌われる存在でなく、
役に立つものとして、認められるものになりました。魔女たちは、汚名挽回とばかり、
人間の役にたつようにがんばるようになりました。魔女が「人々の役に立つよ
うに働く」のを信条とするようになったのは、このころからです。
しかし、いままでの反動か、魔女たちはすっかり卑屈になっていました。
魔女と仲よくし、中には結婚する人間も出てきましたが、魔女と人間の関係は、
この時代では決して対等とはいえず、ともすれば“役にたつ物”
“人間に奉仕する存在”とすら、思われていました(そして、そう思わせたのは、
魔女たち自身の責任でもありました)。
<現在>
そして、現在です。「人々の役に立つ」という信条はかわっていないものの、
魔女たちは、やっと人間と対等につきあえるようになってきました。
「支配」するでも、「服従」するでもなく、「対等」に。むろん、いまでも、
魔女を「恐ろしい存在」と思ってたり、ただの「役に立つもの」と考える人々もいます。
しかし、少しずつ良い方向に時代は進んでいるのです。
現在の魔女たちは、自分の存在と仕事に誇りを持ちつつ生きていますし、
人間のなかにも、真の意味で魔女たちを理解しようとして、研究をしたり、
結婚を申し込んだりする人も増えてきました。
<魔女の暦>
魔女は「魔女暦」を使っています。
これは、月の満ち欠けに対応して、1か月を28日と数える暦法です。
1日目から28日目は、ウィッチ・タロー
のカードに対応させて、
1日目なら、「星」の日、
2日目なら「姫」の日などと呼ばれます。
註:ときどき、暦にない日が突然発生するときもありますが、それは
「トリックスターの日」と呼ばれます。
<魔女夜会と祭>
魔女暦で、毎月22日
(「鳥」の日)には、
魔女夜会が行われます。これは、地域魔女の情報交換と交流のための集会です。
これは純粋に魔女だけの集いで、パートナーの猫ですら、その出席は許されていません。
8月の魔女夜会は、特に「ワルプルギス祭」と呼ばれ、地域の魔女だけでなく、
ランドアイルスじゅう、いえ、世界中の魔女が、
ワルプルギス山に集います。
魔女たちの一大祭典で、集まる魔女は1万人とも10万人ともいわれ
ています。
12月の魔女夜会は、1年のしめくくりなので、やはり賑やかなお祭りとなります。
「冬のワルプルギス祭」、「ひとあし早いクリスマス」などとも呼ばれます。
<猫の月例集会>
魔女は、パートナーである猫と共に生活していますが、
魔女暦で毎月8日
(「猫」の日)には、猫は、
猫の月例集会に出かけていきます。
どんな街にも猫の組織はあるものです。猫の月例集会は、
猫の組織の定例の集会のようなもので、その内容は意外とざっくばらんです。
情報交換や、猫のボスからの話があることもありますが、大部分のは、
お互いにごちそうを食べたり、おしゃべりして過ごすみたいです。
これは猫だけの集まりなので、パートナーの魔女ですら、その出席は許されていません。
魔女と猫は、お互いに、ちょっとずつ、相手に秘密の部分を持つことで、
よい関係を保っているのです。
物語の舞台となる街(都市、町、村)は、
用意されたシナリオ
のなかに設定されていることもありますが、
ゲームマスターのあなた自身が、
以下の方法を使って、創造することもできます。
<やり方>
以下の手順にしたがって、行います。
(1)その街の「魔法を信じる力」を決める
ダイスを2個ふって、その目を合計してください。それが、その街の
「魔法を信じる力」です。
(2)その街の「魔法を嫌う力」を決める
ダイスを2個ふって、その目を合計してください。それが、その街の
「魔法を嫌う力」です。
(3)その街の「名前」を決める
153ページで紹介してある、
ウィッチ・タローを使った名前の作成法
で、名前を決めてください。
(4)その街の「ある場所」を決める
ダイスを1個ふって、決定します。
1なら「海岸」、2なら「森の近く」、3なら「平原」、4なら「砂漠」、
5なら「川の近く」、6なら「山あい」となります。
(5)その街の「大きさ」を決める
ダイスを1個ふって、決定します。
1〜2なら「村」、3〜5なら「町」、6なら「都市」となります。
(6)その街の「産業」を決める
ダイスを1個ふって、決定します。
1なら「農業・牧畜(漁業・林業)」、2なら「鉱業」、3なら「工業」、
4なら「商業」、5なら「観光」、6なら「その他」となります。
註:ディアイスの「温泉」
のようなサービス業などです。賢者が集まって「知識」を産業としている街や、
「音楽」や「芸術」を産業としている街などもあります。
なかには、街全体が乞食や泥棒だという、とんでもない街もあるとか……。
*(1)と
(2)のふたつの数によって、
その街で魔女がどのような扱いを受けるかの目安となります。
(参考までに、
「魔法を信じる力」と
「魔法を嫌う力」をロールプレイのなかで、
どう使うか、一例をあげておきます)
・魔女が魔法を使った場合、
それを目撃した人はダイスを2個ふります。
「魔法を信じる力」以下がでないと、それを魔法だと信じません(自然現象や偶然や、
あるいは錯覚だと勝手に思ってしまいます)。
・魔法によって(魔法が失敗したり、間違った魔法をかけてしまったりして)、
ひどいことがおこった場合、それを目撃した人、まきこまれた人は、
ダイスを2個ふります。「魔法を嫌う力」以下が出たら、魔法を使った魔女を恐れた
り、嫌ったりすることになります。
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魔法を信じる力 魔法を嫌う力
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低 低 ………魔女は、ふつうの人間扱い
低 高 ………魔女は軽べつされる
高 低 ………魔女は尊敬される
高 高 ………魔女は畏敬される
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(両方12以上の街では、“魔女狩り”が行われています)
|
註:「軽べつ」=ようするに、魔法を信じていないので、魔女を
「魔法と称して人をだます、詐欺師まがいの職業」だと思っているわけです。
註:「畏敬」=ただ嫌っているのではなく、恐れの感情が屈折している状態です。
このような街の人々は、魔女の存在に安心できません。表面上、無視したり、
威張ったり、軽べつしたようにふるまいますが、心のなかでは魔法の存在が怖いのです。
その状態が極限にたっすると“魔女狩り”が起こるのです。
(1)と
(2)の数字は、
1年たつごとに、ダイスをふって決めなおします。その1年間のあいだに……
・魔女がその街で、人々の役にたつような活躍を行っていたなら、その活躍ひとつにつき、
「魔法を信じる力」を+1、「魔法を嫌う力」を−1して、ダイスの目を数えてください。
・魔女がその街で、人々の迷惑になったり嫌われるような失敗をしてしまっていたなら、
その失敗ひとつにつき、「魔法を信じる力」に−1、「魔法を嫌う力」に+1して、
ダイスの目を数えてください。
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ウィッチクエスト 小さな魔女エディス 下巻
編著者・監修 冒険企画局
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HTML版製作 さうす@いんくる
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