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■§14 6月10日・午後0時20分■

GM 「エディスのところに、係の人がやってくる。『メミナさん、そろそろスタンバイ、 お願いします』」
エディス 「いよいよ、ね。ヒューベ、行きましょう。……そうそう、今までの最高記録は?」
GM 「やはり優勝候補の、タイトキチームが叩き出した、54メートル。大会新記録だって」
ヒューベ 「責任重大だね、エディー。……あれ、ゆうのす?  どうして飛行機の中なんかに隠れてるの?」
ゆうのす 「あ、もう乗ってきたわけだ。さっき話していた事情によって、 エディーを眠らせにきたんだけど」
エディス 「マスターさん、あたしがゆうのすに、事情を話してもらっている時間、ある?」
GM 「まあ、特別に許可しましょう」
ゆうのす 「これこれかくかくしかじか、というわけで、眠ってくれないかなぁ、エディー?」
エディス 「ん、わかった。でもさ、あたしが事情を知ったのなら、 別に眠らなくたっていいんじゃない? ……マスターさん、エディスは飛行機に乗らずに、 大会本部のテントにでも、隠れちゃいます!」

GM 「『さあ、ラストは前年優勝、そして、今年の優勝候補、カノックチームです!』 というアナウンスが入ります。そして、観客席からは、割れるような拍手が……」
レーデルラン 「ゆうのす、うまくやってるのかしら?」
トンガリ 「メミナの様子は、どうですか?」
GM 「メミナは口をへの字に結んだまま、じっとスタートのやぐらを見ている。 その顔は無表情で、何を考えているか、良くわからない」
キリル 「エディーが飛行機から降りちゃったんだから、当然まだ、 スタートはしていないわけですよね?」
ヒューベ 「アナウンスが、『カノック号はどうしたんでしょう?  エンジンの調子でも悪いのでしょうか?』」
GM 「観客たちがざわつきはじめる。『どうしたんだ、カノック号は?』 『メミナの具合でも、悪いんだろうか……?』」
キリル 「やっぱり、メミナじゃないとだめね、と、メミナに聞こえるように独り言」
レーデルラン 「エディーがいくら魔女でも、フライト経験ゼロだもんね……」
GM 「客席から、ついにメミナコールが沸き起こる。しかし、メミナは俯いたままだ」
エディス 「もう! 意地っ張りなんだから! ……こうなったら、最後の手段。 放送席のマイクを奪って……ちょっと、マイク貸してよっ! メミナ! あんた、 本当は飛ぶのが怖いんでしょう? あたしに負けるのがみっともないから、 ここに来られないんじゃないの? さっさと出ていらっしゃい!」
ヒューベ 「観客の目には、メミナがわけのわからないことをわめいているようにしか 見えないんじゃないのかなぁ? 見かけはメミナなんだし……」
註:これは冷静な指摘ですが、メミナには解るわけですから……。
キリル 「あの子、ああいう性格だから、飛ばすの怖いのよ。……と、 メミナの方をじっと見ましょう。……やっぱり、メミナじゃないとダメなのよ!」
註:もちろん、こちらは、メミナを飛ばすための策略です。さて、結果は……。
GM 「観客はみんなで、メミナコールを送っている。『メ・ミ・ナ! メ・ミ・ナ!  どうした、メミナ! そんなところで叫んでいないで、はやく飛べ!』 ……そして、その大歓声の中、メミナはすっくと立ち上がる。
『エディーなんかに負けないわよ、私は!』」
レーデルラン 「やった!」
エディス 「騒ぎにならないうちに、あたしはエディスに戻っちゃおうっと!」

GM 「飛行機の前で待っていたロッドさんが、走ってきたメミナの目を見つめて 『メミナ、あの歓声が聞こえるだろう? 行きなさい』と、肩をぽん、と叩く。 メミナはうなづいて、操縦席に乗り込む。『でもお父さん、私が飛ぶのは、これが最後よ』
 そして……」

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ウィッチクエスト 小さな魔女エディス 上巻
編著者・監修 冒険企画局 SGM01764@niftyserve.or.jp
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