すみれぐみのお部屋から
                           横山ゆかり


一月の終わりに、幼稚園では来年度入園してくるお友達を招いて「仮入園」がおこ
なわれました。

お母さんにぴったりくっついて離れない子。広い園内をあちこち探検する子。お友
達に圧倒されて半べその子。いろんな子がいました。すみれぐみのお友達はそんな新
しいお友達のことを余裕で見ていました。
けれども、ゆかり先生は知っています。一年前は、それがすみれぐみさんみんなの
姿だったことを・・・。でも、すみれぐみさんたら、
「なんで泣いとるが?」
「あんなことしたらダメなんにね」
なんてまるで他人事のように言うのです。
思わず笑っちゃいましたよ。
と、同時に一年のみんなの成長を感じずにはいられませんでした。

この頃からかしら、すみれぐみさんの間で
「そんなことしてたら、ゆりぐみさんになれんよ!」
という言葉があちこちできかれるようになったのは。
新しいお友達を迎えることにより、もうすぐお兄ちゃん・お姉ちゃんになるんだ!
という気持ちがでてきたんでしょうね。もちろん、そういいながらも行動はまだまだ
幼くて、
「取った・取られた」とか
「おしっこ、間にあわんかった・・・」
などなど。でもそのギャップがたまらなく可愛いんですけどね。

しかし、可愛いばかりではないことも少々。幼稚園の生活が自分の生活の一部にな
り、お友達の輪も広がり、まさに毎日が楽しくてしょうがないのがすみれぐみの三学
期。それはとっても良い事なのですが、同時にやんちゃの芽もグングン伸び始めてく
るからさあ、大変。いけないことだとわかっていても、やらずにはいられない!先生
に注意されてもへっちゃらのヤンチャーズに変身して大暴れなのですから・・・(苦
笑)。これも間違いなくすみれぐみの3学期の姿。成長の過程とはいえちょっぴり複
雑なゆかり先生なのでした。
気が付くと、寒くて長かった冬も終わり、優しい風がお庭を駆け抜けるようになっ
ていました。四月に出会った頃は、「こんなところに一人きりにさせられて、どうす
ればいいんだよぉ!」と言わんばかりに不安なお顔で泣いていたお友達も、今では幼
稚園大好き、お友達大好きの立派なしらゆりっ子に。本当に月日の経つのは早いもの
ですねーなんてしみじみしているのは先生だけかな。だってお庭の花壇のチューリッ
プが、赤や黄色のきれいなお花を咲かせる頃には、みんなは憧れのゆりぐみさんなの
ですから。

 嬉しい春がそこまで来ていますよ。
 ますますパワーアップすること間違いなし!だよね。
   
 


1年間、ありがとうございました。