三学期になると、どのお部屋からも
「もうすぐばらぐみさん」「もうすぐゆりぐみさん」「すみれぐみさんになるんだ」
などと聞かれるようになります。
みんなが大きくなった事を自覚し喜んでいる姿が日に日に大きくなっていくのです。
特にばらぐみさんは「もうすぐ一年生」という、
四月から通う、ここではない世界に、
どきどきしながらも心ふくらませている様子が見受けられるようになりました。
それを見ながら私達教師達も子ども達一人一人の成長を感じ、
大きな喜びを味わう・・・それが三学期です。

ニ月の終わりに行われた発表会は、
まさにその成長のあらわれであり、
ご家庭の方々とその喜びを感じる事ができました事は、
本当にいい機会だったと思います。




しかしながら、この三学期はなんだか少し変でした。
記録的な暖冬は、いつもの冬とはあきらかに違っいたのです。
と言うのも、いつもは寒い冬のど真ん中の十二月からニ月いっぱいまで幼稚園のお庭に
雪を積もらせる事がなかったのです。
こんな事は私が幼稚園の仕事をした中では初めての事でした。

去年の豪雪の事を考え、早めに購入し、
常に玄関にスタンバイしてあったスコップは、一度も使わないままかたづけてしまい、
登園に危なくないようにと、
門から玄関までの雪を溶かすための長い噴水のでるホースも、ニ月末におかたづけ。
せっかく準備をしたのに、1度も使わずじまいで終わってしまったのでした。


これだけではありません、毎年、雪のシーズンには毎日のように歌っていた

の歌声も聞けず、気温がぐんと低くなるニ月にしていた外と中の気温調べもできず、
氷作りもできず、もちろん肝心の雪遊びもできませんでした。
それでも雪遊びがしたいと、幼稚園のホールで玉入れの玉を使って雪合戦ならず、
玉合戦をかろうじて楽しみました。

そして驚くことに、幼稚園のもくれんの木は、
ニ月の中旬に芽吹いていることを発見し、
ばらぐみさんが、幼稚園の近くの草っぱらに、
つくしやおおいぬのふぐりを見つけたのも、この頃でした。
そして新聞には田んぼにカエルの卵を発見したという記事も!
これはいつも三月の終わりから四月の初めに行う「春みつけ」という大切な保育の材料。
暖冬だけならまだしも幼稚園の保育計画自体に、異変がおきてしまったのです。



このまま春が来るんだろうな?
と思っていた矢先の三月七日に突然の雪。
なんと一日中降り続き、
あっという間に銀世界!

と子ども達の目はらんらん!
この日は保育計画をすべて変更し、
みんなで外へととび出して行ったのでした。
この冬初めてのゆきだるま。
初めての雪合戦を
思う存分満喫できたのでした。
良かった!




しかしながら暖冬にはかわりない今年の冬でした。
最近地球温暖化は、まさに世界規模。
今年のこの暖冬は、日本の地は、春夏秋冬があるからすばらしいんだよ!
地球温暖化が原因ならば、みんなでどうすればいいか考えようよ!
と教えてくれているような気がします。

             
そんなこんなで、いつもとは一味違った三学期でしたが、
しらゆりっこ達はそれぞれ一年前に比べるとみんな心身共に大きくなって、
素直に心から、お友達にありがとう。
先生にありがとう。
お家の人にもありがとう。
と言えるようになりました。
ばらぐみさんが発表会でスマップのありがとうの曲で踊っていましたね。

発表会が終わってからも、自由遊びの時間に音楽がかかると、
他のクラスのお友達も集まってきて、「ありがとう〜♪」と歌いながら、
みんなで何度も踊っていた程、しらゆりっこ達にとって大好きな曲になりました。

ありがとうってステキな言葉ですね。
たくさんの経験の中で、感謝の心をいっぱい持てるようになりました。
そして、振り返ればお家の方達も我が子の成長に感謝する時に、
母として父としてひとまわり大きくなれたと感じる事ができるのではないでしょうか?


今年度の歩みに心から感謝致します。