それは、十月の最後の週のホールの時間でした。

紙で作った白百合幼稚園だけのオリジナルのお金が紹介されました。
本当のお金と同様に一円、五円、十円、五十円、百円があるのですが、
数字がわからない小さいお友達にも興味を持ってほしいとカラフルな色がついていて、
いろいろな果物の絵がかかれていました。
次の日から、そのお金はお金ボックスにという箱の中央が丸くくりぬかれていて、
くじ引きをするように、手をいれてお金をつまむ事ができるという
ちょっぴりワクワクしちゃうボックスの中に入れられました。そして、
前日のホールの時間の約束では、1日3枚自由遊びの時間にボックスの中から
お金をつまんでもいいですよという事になっていました。
そのお金を使っての最初のお買い物は、
そのお金を入れるお財布でした。子ども達の大好きなキャラクターの絵を、
大きめの封筒の裏に印刷をして、これまたオリジナルのお財布ができあがりました。
そしてその日からその袋はしらゆりっこ達の大切なお財布になりました。
前年度も同じ時期にお金ボックスの遊びを行いましたが、
以前に体験があるばらぐみさんを中心にこのコーナーは盛り上がりました。


最初はそのお金で、自由遊びの時間に自由に使っていた、折り紙やストローなどを交換して遊びました。しらゆりっこ達は、その日の運勢を占うかのように、お金ボックスからお金をつまみ、
ほしい品物をそのお金1枚と交換してそのやり取りを楽しみました。
何日か経ち、何人かの子ども達のお財布がふっくらしてきた頃、今度はホールの時間に五百円玉と千円札の紹介をして、百円玉5枚で五百円玉一枚と交換できる、更に五百円玉2枚と千円札1枚が交換できるといった具合に、しらゆり銀行で両替という事ができるという話しをしたのです。
五百円玉はほかのコインより大きめだったし、千円札は大人の人が持っているものと同様に長四角のお札の形をしていて、興味をそそられるものでした。

まず初めに大喜びで両替遊びを楽しみだしたのが、ばらぐみの男の子達でした。ゆりぐみさんの時に両替遊びをしたのをしっかり覚えていて、両替の大きなお金が紹介されるのを心待ちにしているようでした。

今では、百円玉十枚で千円であるという事も知っています。
五十円玉2枚で百円になるとか五円玉2枚で十円になるという事もわかります。
千円札がほしくて「両替してください」としらゆり銀行に持ってきたお金をみると、
その中に五十円玉や十円玉が混ざっている事もあり、
それでもしっかり合計千円になっている時は、こちらも驚かされます。
もちろん小さいお友達は、両替がわからない子がほとんどです。
でも時々両替したそうにしていると、大きいくみのお友達が数えてあげている様子
もみられます。「両替したいけどわかりません」とお財布を持ってくれば、先生が机の上に並べて数えてあげます。 もちろん、お金は集めるばかりじゃおもしろくありません。と、
先日はまっこ先生がまつぼっくりのツリー屋さんを自由遊びの時間にオープンしました。

まつぼっくりツリーは1コ二百円、その時五百円出せば三百円おつりがある、
千円札を出せば八百円のおつりというように、おつりが手元に帰ってきた子もいました。
というように、遊びの中で知らない間に数字を学んでいるという事に気付かされます。


遊びの中で楽しみながら興味を持つ事は、
一番の学びであり理想であると思います。
現在自由遊びの中でお金ボックスからつまむ事ができるコインの枚数は5枚。
3学期は更にグレードアップして、
五千円札と一万円札の紹介をしたいと考えています。楽しいお店屋さんも企画しようと思います。

「金は天下のまわりもの」

さて、誰のお財布に入るかな?
と楽しみにしている先生です。