すみれぐみのお部屋から

 
               
 
                         塚本真紀子
 

気がつけば、三月。
一年の締めくくりの月を迎え、今学期も残すところ、あとわずかとなりました。
 
「あけましておめでとうございます」
のあいさつで元気に、新しい年をスタートしたすみれさん。
この時点では、新しい年がスタートした=ゆりさんへ進級するという
本当の意味は、理解していなかったようです。
 

一月の下旬に来年度入園するお友達を迎えて仮入園が行われました。
そして、その日は、すみれさんが、仮進級して、
一日限定のゆりぐみさんになる日でもあります。
ホールの時間、ゆりさんの場所に堂々と座って
いるすみれぐみさん。
なんだかその場所にいるだけで、
お兄さん、お姉さんに見えました。
そして、新しく入園するお友達を見て、

「なんで、泣いとるがん?幼稚園楽しいのにね」
「ちゃんと座らなダメなんにね」


なんて、言ってる姿が見られました。
みんなも一年前はそうだったったのに・・・。
みんなは、覚えてないかもしれませんが、
先生はちゃんと覚えてますよ(笑)
仮入園の日に、ゆりさんのお部屋で過ごし、また、新しいお友達を迎えることで、
「ゆりさんへの進級」を意識し始めたすみれさん。
ここに来て、ようやくゆりさんになれる自覚が芽生えてきました。
生活する中でも、
「○○しとったら、ゆりさんになれんよ」
なんて言う言葉が、あちこちで飛び交っています。
三学期に入って、大きくなったみんなの成長を感ずる毎日です。

けれども、自己主張の強い時期ですから、けんかは絶えません。

幼稚園で、みんなで遊ぶことが楽しくなり、
遊び方も上手になってきましたが、
自分中心の考え、
行動になってしまうのがすみれさん。
分かっていながら、
ついつい失敗してしまうのです。

その度に、先生のちょっぴり大きな声がお部屋中に響いてしまうのでした(苦笑)。

自分のことだけを考えるのではなく、
相手のお友達の事を考えながら遊ぶこと
が、今後できたらなぁ〜と、願っています。

いよいよ、四月から、みんなは、ゆりぐみさん。すみれさんと共に歩んだ毎日は、
先生にとっても宝物の日々でした。一年間ありがとうございました。