いよいよ十二人のお友達が待ちに待った一年のはじまりです。“ばらぐみ”というずーっと憧れてきたクラスに進級し、嬉しくてたまらないお友達。キラキラの笑顔を輝かせながら新学期のスタートを切りました。

 ばらぐみといえば…黄緑色のバッチ。このバッチには魔法がかかっているの?と不思議に思ってしまう程、このバッチを胸にした瞬間お顔がかわるのです。
 始業式の中で園長先生から受け取った十二個のバッチをお部屋へ持って行き、一人ずつお名前を呼んで左胸につけていきました。名前が呼ばれるのを、今か今かと待つお友達。自分の名前が呼ばれるとなんとも言えない誇らしげなお顔をしながら「つけて!」といわんばかりに制服をぐっとつきだします。カッコイイ黄緑色のバッチを胸に「ばらぐみさんやね〜!」とお友達同士でお顔を見合わせていました。そんなお友達に「今日から幼稚園の“リーダー”なんだよ!よろしくね!」とお話をしました。すると全員で声をそろえて「うん!」と素敵なお返事をしてくれたのでした。

 
梅雨入りを前に、ばらぐみさんのお部屋で始まったのがお野菜の観察です。“観察”といっても大きくなっていく様子を見るだけではなく、小さな変化を見つける度に絵を描いて記録していくのです。そこで、一つの苗をじっくり観察する『観察大臣』を任命し、自分の観察する苗に名札をつけ、苗に変化を見つけたら記録をつけるというお約束をしました。その日から「大きくなってきた!」「お花咲いた!」など、逐一報告してくれるばらぐみさん。お外に出て「暑いな〜」と言いつつも、生長記録をつけながら大きくなっていく様子に心躍らせていたのでした。
 そんなある日〜せっかく咲いたはずのお野菜の花が枯れてしまったのです。「お花、枯れちゃった…」と、悲しげなお顔をするお友達。そこで「お花が枯れたってことは、今からお野菜ができますよーっていうことなんだよ」とお話をしました。そのお話に「へぇ〜そぉなん?」と半信半疑。その日から毎日お野菜の苗とにらめっこをしながら「まだかな〜」と首を長くして待っていました。すると数日後…枯れていたお花の下から小さなお野菜の赤ちゃんが。小さな観察大臣達は大喜び!「本当にお野菜出来てきたー」とウキウキが止まらなかったのでした。
 
こうして見守ってきたお野菜の苗は、六月の後半から次々に大きなお野菜が実り、収穫の時を迎えました。きゅうり・なす・トマト・ピーマン、そして大きくなるまで何が実のるか分からなかった“謎の苗”のオクラ、ズッキーニ。採れたての野菜にお鼻をくっつけて「いいにお〜い!」と大喜び!そして収穫したお野菜が給食に登場すると真っ先に口に運び「おいし〜い!」とにっこり笑顔がこぼれたのでした。小さな苗が大きくなってお花を咲かせ、枯れた後から小さなお野菜が実り、大きくなったら収穫をし堪能するーそんな命の営みの不思議と喜びを知ったばらぐみさんでした。
 
 毎月各家庭に出される幼稚園のカレンダー。お部屋にも同じカレンダーを貼っておくと、毎日見ながら「あと何回寝たら○○くんのお誕生会?」「あと何回寝たらスイミング?」「今日は何するの?」と一つ一つの行事を指折り数えながら、楽しみに待っているばらぐみさん。
 七月に入ってから、カレンダーを見る度に言う言葉は「あと何回寝たらお泊まり会?」です。どんなパジャマを持ってくるのか、お泊まり会ではどんな楽しいことがあるのかとお話をしながら、お泊まり会の日を心待ちにしています。待ちに待ったお泊まり会、みんなで楽しみましょうね。

ばらぐみさんになってアッという間に四ヵ月が経とうとしています。幼稚園大好き!お友達大好き!のばらぐみさん。二学期も十二人揃って思いっきり楽しみましょうね!