一月から二月にかけて、たまごぐみに二人のお友達と、ひよこぐみに二人のお友達が仲間入りを果たし、ますます賑やかになったひよこ&たまごぐみのお部屋。全員で十一人でのお過ごしになることは大変嬉しいことではあったのですが、心配なこともでてきました。
 一つのお部屋に、まだ座ることもできない六ヶ月のお友達から、元気に走り回る二歳のお友達が一緒にお過ごしすることによって、一人一人に行き届いた保育ができるのか、子どもたちが安全かつ安心してお過ごしできるのかということでした。
 
 四月からずっとひよこ&たまごぐみさんとお過ごしし、成長を見守ってきた橋先生と長岡先生は、三月までしっかりと全員の成長を見届け、たんぽぽぐみへ送りだしたい気持ちでいっぱいでした。けれども、新しくしらゆりっこになったお友達が安心してお過ごしできるように、精一杯の愛情を注ぎ、一日も早く園生活に慣れてほしい気持ちもありました。
 そして、ひよこぐみさんの中のお誕生月の早い三人のお友達を、ひよこぐみさんの代表として、ひと足早くたんぽぽぐみさんに送り出すことになったのです。
 今では、橋先生や長岡先生はこう話してくれます。過ごすお部屋は違っても、毎日お顔を見ることはできるし、声をかけることもできます。何より、距離をおいてみることで、今まで見えなかったお友達の成長を再確認できたことが、また嬉しいことだと。
 

 こうして二月から新生ひよこ&たまごぐみのあゆみが始まりました。
 
 二月は、幼稚園&保育園のお友達の大きくなったお姿を見ていただく『発表会』の準備が保育の中心でした。ひよこ&たまごぐみさんも、日々成長していることを見ていただくための準備に取りかかりました。とは言っても、まだ歩くこともままならないお友達から、ジャンプもできるお友達が同じ舞台に立つわけですから、どんなことをしたらみんなが大きくなったことを見ていただけるのかと橋先生は悩みに悩んでいました。長岡先生とも何度も何度も話し合っていました。時には事務室にお知恵を拝借にくることもありました。“子どもたちが楽しんですること”そのことを第一に考えて・・・。
 こんな影の先生方の努力の賜が、あの発表会でした。タマゴが割れてでてきた時は、本当に可愛く、会場がほんわかした空気に包まれました。ダンスは“先生の一人ダンス”だったかもしれませんが、ちょっとでも手が上がったり、手拍子ができればそれで大成功です。だってそこにいるだけで可愛いのがひよこ&たまごぐみさんなのですから。泣いてしまっても良いのです。泣くということは、いつもとは違うと言うことがわかるようになったことだからです。
 保育園の間は、曲に合わせて踊ったり、セリフを言って劇遊びを楽しむということはやはり難しく、泣いてしまったり、何もしない姿が見られます。けれども心配しないでください。発表会後半、大きくなったことを、自信を持って表現していた幼稚園のお友達も、小さい時はみんなそうでした。思いっきり泣いてました(笑)。だから「うちの子もあと○年もしたら、こうなるんだぁ〜」と、ワクワクしながら、その日を楽しみに待っていただけると嬉しいです。

 雪の少なかった冬も終わり、春の訪れを感じる頃になりました。花壇のチューリップも例年になく伸び、まるでお友達のことを応援しているかのようです。新しいスタートラインに立つ日はそこまで来ています。小さな足でしっかり歩み出してほしいと心から願っています。