「学院長室から」

          
  
                               学院長 釜土達雄
 
  三月十一日から十二日にかけて、仙台に行ってまいりました。東日本大震災から三年を経て、あちこちで開かれていた祈りの輪の一つに、出席するためでした。多くの人々が亡くなられ、甚大な被害があり、その上原発の事故まで重なって、苦しみや悲しみの中にある人々の心に、わたしたちも心を沿わせるためでした。
 すでに何度か、福島を始め、わたしは東北地方を訪問させていただいています。特に、実際に保育をしていた中で地震や津波に出会った方々にお会いさせていただき、具体的なアドバイスもいただきました。深く感謝しています。今回は、学びの時というよりも、三年を経て、共に祈りをあわせる時でした。身の引き締まる、感謝の時でした。
 時を得て、石川県でも津波対策のマニュアルを各園が持つようになりました。原子力発電所の事故が起こった時の避難の方法も、県を中心に具体的検討が続いています。あってはならないことですが、最悪の状況を想定して、考えられる準備をしておく。当たり前の話です。
 子どもたちと共に過ごす幼稚園・保育園として、いざという時にどのように子どもたちをお守りするのか。ご家庭の皆様のところに、いかにしてお返しするのか。それでも緊急の時には、どこに逃げるのか。連絡が取れない時には、どのような連絡方法をとるのか。私たちもしっかり準備して、ご家庭の皆様にお示ししたいと考えています。