たまごぐみさんから進級したお友だち四名に、新しくひよこぐみさんに一名、たまごぐみさんに一名のお友だちが加わり、六名でスタートを切ったひよこ&たまごぐみさん。

 
四月当初のお部屋は、自分の好きなおもちゃでじっくり遊ぶ子もいれば、動き回れる喜びを前面に出し、パタパタと走り回って遊ぶ子、もちろんまだ歩行のできない子は、先生のお膝の中にちょこんと座ってゆったり過ごすなど、六名のお友だちはそれぞれのスタイルで保育園生活を送っていました。
 そんなお友だちに、素敵な経験や刺激をと担任の橋先生も工夫を凝らした保育を展開しています。事務室で仕事をしている繁在家先生や私の耳に、よ〜く橋先生の楽しそうな声が聞こえてくるほどなのです。けれどもよく考えてみたら、ひよこ&たまごぐみのお部屋は、事務室から遙か遠く離れているのに、なぜかすぐそこにいるかのように聞こえてくるのです。
 ある日のこと。その楽しそうな声に引き寄せられて、保育室に見に行ってみました。「どんな楽しいことをしているのかな?」とわくわくしながらお部屋を覗くと、みんなでゲームをしていました。そのゲームとは、お部屋のあちこちに絵が貼ってあり、同じ絵が描かれたカードを見せ、同じ絵のところに行くというゲームでした。子どもたちの前に立った橋先生は、カードを子どもたちに見せながら「みんなこの絵と同じ絵がお部屋に貼ってあるよ〜。どこにあるかわかるかな?さぁ、その絵にみんな集まれ〜!」と声をかけました。絵を持って一緒に走り、ふと振り返った橋先生。そこには子どもたちの笑顔があるはずだったのに、あとには誰もついてきておらず、当の子どもたちは「一体何が始まってるの?」と言わんばかりのお顔で橋先生のことを見ていたのでした。この反応には橋先生自身も驚いた様子。昨年まで2歳児を担当していたので、このゲームならひよこ&たまごさんと一緒に楽しめると思っていたからです。そこで橋先生は、一緒にお部屋の担当をしている長岡先生と相談して、ひよこ&たまごさんが楽しめる保育ができるように、工夫と努力の日々が始まったのです。.そしてその努力は実を結び、今ではひよこ&たまごぐみさんもゲームや製作を楽しみ、お部屋からは可愛い笑い声や片言のおしゃべりも聞こえてきてくるようになり、橋先生の楽しい声がますます響き渡るようになりました。
 
ひよこ&たまごぐみさんは、お外遊びが大好き。先生の「お外に行きます!」の声が聞こえると、ニコニコのお顔に大変身。白い帽子をかぶり、お玄関までやってくると、自分の靴を「早く履かせて〜」と言わんばかりに持ってきます。そしてお外の靴に履き替えると、広いお庭に吸い込まれるように飛び出していきます。
 春は園庭遊具で遊んだり、綺麗なお花の観察をしていました。中でもお砂遊びが大好きで、スコップを片手にお茶碗にお砂を入れたり出したり。時にはごちそうを振る舞ってくれたりもします。また滑り台も大好きで、階段もまだ一人で上るのもやっとなのに滑り台をしたがるお友だち。先生にそっと支えられながらも、シューッと滑るとさらにニッコリお顔のお友だちがいました。
 5月の中頃からは、ばらぐみさんが園庭に植えた夏野菜の苗の観察を始めました。野菜の苗に小さな実を見つけると「あっ!あかちゃん!」と、お野菜の赤ちゃんをみつけて、先生やお友だちと一緒に大喜びしている姿は本当に可愛いかったです。お野菜の収穫が楽しみなひよこ&たまごぐみさんです。
いよいよ夏本番。太陽と仲良くなって、思う存分お水遊びを楽しむことになっています。ますますパワーアップすることでしょう。そんなお友だちの元気でたくましいお姿を、事務室から見守っていきたいと思っています。